きゃりー“ガス欠”に危機感 「いろんなもの吸収して視野を広げようと」

2018年9月22日14時0分  スポーツ報知
  • きゃりーぱみゅぱみゅ(カメラ・関口 俊明)
  • アルバム「じゃぱみゅ」のジャケット

 歌手・きゃりーぱみゅぱみゅ(25)のアルバム「じゃぱみゅ」が26日に発売される。フルアルバムは4年ぶりで「演歌を意識した楽曲もあって楽しい作品」と手応えを感じている。21日の埼玉・和光市民文化センターから全国ツアーをスタート。「前からキャバレーでライブをしたかった」という希望からステージをナイトラウンジ風にするという。日本のレディー・ガガと呼ばれ、原宿のカワイイ文化の象徴として海外でも人気者だが「やりたいことをやっただけで、私は運がめちゃくちゃいいんです」とも。原宿通いをした高校時代から今後の夢なども聞いた。

 4年ぶりのアルバムは「原宿いやほい」「最&高」などの人気曲に加え、新曲や中田ヤスタカの所属するCAPSULEの「恋ノ花」のカバーも収録されている。

 「今回も中田さんが全て作詞作曲を手掛けてくれまして、日本的な楽曲が多かったのでJAPANとぱみゅから『じゃぱみゅ』のタイトルになりました。すごく海外を意識したワケではないんですが、外国の方も気に入ってくれる内容になったのかなと思います。お気に入りは『演歌ナトリウム』。昔から中田さんが『元素を演歌っぽい曲で歌ったら超面白い』と冗談で言っていて、それが5年越しぐらいで実現しました」

 ―演歌っぽい曲。

 「元素を覚える、水ヘーリーベー、じゃないですが、元素がずらり出てきます。軽快なラップなんですが中田さんが『演歌っぽく歌ってくれ』といったシーンもあってビブラートをやってみたり。それってこぶしっていうんですかね。聴くと『これ誰?』と思いますよ。元素って初めて目にして読むモノばっかりで、口が慣れていないからその意味では収録も難しかったかな。それよりライブですよ。本当に歌詞を覚えなきゃいけないので書いて暗記するしかない。学生さん、これ受験勉強にもってこいですよ」

 21日から全国ツアーがスタートする。今ツアーの見どころは。

 「大阪にある『ミス大阪』というキャバレーで、一度ライブしたいと思っていたんですが、スケジュールが合わず2年ぐらいたっちゃって、じゃあ『ステージにキャバレーをつくっちゃえ』って。高級ラウンジといった感じですね。あんまり自分と遠いところをコンセプトにしちゃうと苦しくなっちゃって、以前は『何でもいいです』みたいになっちゃうこともありました。今回はすごいイメージが湧いて早めに参考画像も送れたり、すらすらしゃべれたりできます。楽しみにしてください」

 今年、4度目の海外ツアーも成功させ、海外進出への意識も強くなっている。

 「海外のフェスに興味はありますが、結構難しいのはクールJAPANと呼ばれるものはアニメが一番人気で次がアイドル。アニメがある中でのライブをするのは自分のビジョンじゃないんです。フランスの『JAPANエキスポ』にも出ましたが、そこでライブをしても結局はアニメが人気で、音楽も初音ミクの方がみなさん知っている状態。割と悔しい思いをしたので、私は別で海外に進出したいです。昔、テレビで『音楽は人との距離を縮める』というのを見て、そんなはずないだろうと思っていたんですが“あるな”と思いました。今回のツアーでは日本語の歌しか歌っていないのに、あんなに盛り上がってくれた。本当に音楽の力ってすごいと実感できました」

 ―じゃあもっと英語の勉強しなくちゃ。

 「そうですよね。もっと自分から英語の歌を歌いたいと言えばいいんだけど、何にもやってないから…。なったらいいなと思うだけで、具体的に進めているワケではない。『ちゃみちゃみちゃーみん』(という曲)のように頑張ろうとしているんだけど、まだ頑張っていない人みたいな。友達と話していて私の楽曲は人間性のレベルが低い曲が多いと言われました。『明日からちゃんとやるよ』とかいって、やらないみたいな。私、音楽的には厳しくストイックな部分はあるかもしれませんが、普通の人間としてめちゃ甘いタイプです。この仕事をしていると食事制限とかあるんですが、差し入れで『千疋屋』のスイーツとか来ると『これ食べなきゃ失礼でしょ』と2個食べちゃうんですから(笑い)」

 趣味を仕事にして世界的に人気を得ているが、本人は“運”を引き寄せて今があると思っているようだ。

 「もともと、きゃりーは海外に受けるためとか、ヒットするためにとかじゃなくて、いいふうに転がって今があると思っています。私、本当に運だけはめちゃくちゃいい。まだ人生25年ですけど中田さんとの出会いも、たまたま今の社長から『音楽は何聴くの?』と聞かれ『CAPSULE好きです』。そしたら中田さんのイベントに誘ってもらって、そこで中田さんとしゃべっていたら『今度、原宿の女の子をデビューさせるの、やってみる?』と。それで今に至るんですから。(初期の)『PONPONPON』もケイティー・ペリーがリツイートしてくれたりとか『つけまつける』(初シングル)でテレビに出演させてもらったりとか。運だけはいい女だなと思います」

 出発は原宿からだった。ファッションに目覚めてから全てが動き出した。

 「原宿は高2ぐらいから行くようになって、ファッションで自分を表現できる街ですね。お金もなかったのでお母さんが昔はいていたスカートをリメイクしたり、古着屋さんに行ってあり得ない安いモノをいっぱい買って着回ししているうちに『ファッションって楽しいんだ』ってね。読者モデルも楽しくて、ちょっとしたギャラもらえるんですよ。自前の服を十何着持参して交通費とか込みで8000円とかでした。それが月何本かあるといいお小遣いになりました。他でバイトもしていたんですが、好きな洋服着てきれいに写真撮って、お金もらえる。こっちの方が断然楽しいと思えました。高校卒業したらすぐにファッションの服飾系に行こうと思っていましたが、デビューも決まって活動が忙しくなって学校はなくなっちゃいました」

 デビューから走り続け“日本のレディー・ガガ”と呼ばれるようになったが、一方で危機感も感じている。

 「ガガさんはリスペクトしていますし、素晴らしい人です。個性的とか派手とか奇抜とかで私が彼女に当てはまったりもあるんでしょうが…。私も“第2のきゃりー”という記事を見たりしますが、それって全然違うというか何かオジさんぽい表現だと感じます。ただ(日本のガガと)言ってもらえるのに恥じないぐらい頑張りたい。でも心配もあります。私は趣味が仕事になっていて、デビューから自分の好きなことを一番最初にバカッとやっているんですね。今年で8年目なんですが、このテンポ感でいくと(見せるものが)何もないです、となっちゃう。もっといろんなものを見て吸収して、もっと視野を広げようと思っています」

 自然体で風に身を任せながら、こだわる部分での妥協は一切なし。このギャップが魅力か。危機感は今後の肥やしになるだろう。(ペン・国分 敦)

 ◆素に戻れる動物園が好き

 ―素に戻れる時間は。

 「動物園に行っている時かも。昨日も多摩動物公園に行ったんですよ。友達と4人で(午後)2時から8時までオランウータンやサイを見たりしてました。本当に動物見ているのが楽しくて、ツアーの空き時間でも動物園に行ったりします。私とか忙しいと日々が分刻みになるけど、動物ってずっと一緒なんですよ。2時に見たライオンが6時にもまた同じ位置でずっと寝ている。こんなにも伸び伸びとゆっくりしているのってすごい、いいなって。目の保養になります。私も日々ピリピリしてカツカツ生きるだけじゃなくて、息抜きも必要というのも動物から学ぶみたいな」

 ◆きゃりーぱみゅぱみゅ 1993年1月29日、東京都生まれ。25歳。高校在学中から読者モデルとして活動し、2011年に中田ヤスタカのプロデュースでミニアルバム「もしもし原宿」でメジャーデビュー。その後、「つけまつける」「ファッションモンスター」などヒットを連発。12年にNHK紅白歌合戦に初出場。13年に初のワールドツアー(13都市)を開催。楽曲が世界各国の「iTunes Store」で上位に入り、ケイティー・ペリーやレディー・ガガもファンで13年には音楽番組でそれぞれ共演を果たした。16年には都の魅力をPRする「東京ブランドアンバサダー」に就任。血液型B。

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