テレ朝の“夕方の顔”竹内由恵アナ「瞬間瞬間が最優先」一日に密着

スポーツ報知
 午後1時から社内にある関係者以外立ち入り禁止のニュースセンターで打ち合わせ。共演の渡辺宜嗣アナ(63)やプロデューサー、デスクが同席。スタッフが「アタマは局地的な激しい雨で…」と確認。平尾昌晃さんの三男・勇気(37)が会見中で、その相続問題やふるさと納税など主要ニュースをおさらいする。(カメラ・堺 恒志)

 毎日の報道番組でニュースを読むアナウンサーはどのような一日を過ごしているのか。今回の「潜入Ho!道」ではテレビ朝日系ニュース番組「スーパーJチャンネル」(月~金曜・後4時50分)でメインキャスターを務める竹内由恵アナウンサー(32)に密着。大型台風が迫る25日、作曲家・平尾昌晃さんの相続問題、貴乃花親方の引退騒動など次々と大ニュースが飛び込んできた。(浦本 将樹)

 この日は対談の仕事もあったため、出勤は番組開始約7時間前の午前10時。午後1時からニュースセンター内で番組の打ち合わせが始まるため、それまでに別室で約1時間の発声練習を済ませるのが日課だ。

 無数のテレビが置かれた同センター。いくつかの画面で平尾昌晃さんの三男・勇気の会見の様子が流れる中、打ち合わせが始まった。この時点では台風、平尾さん相続問題、ふるさと納税などを扱う予定だった。

 メイクを終えて、コーヒーとパンを手に、グルメ企画のVTRを頭に入れていた午後3時頃、緊急事態が発生だ。この日、相撲協会へ引退届を提出した貴乃花親方が、午後5時から記者会見を行うとの一報だ。「どうする…」とざわつくセンター内。番組内容も急きょ変更へ。台風関連のニュースを押しのけ、メインは貴乃花親方問題に決定した。竹内アナも「何かが起きている。その真ん中にいるような気持ちです」と表情を引き締める。

 限られた時間の中で原稿を頭にたたき込み、リハーサルを行う。刻々と新しい情報が入る中、視聴者に分かりやすく、正確にニュースを伝えるために準備は入念に行われていた。

 午後4時50分に番組開始。冒頭は親方の会見を生中継した。竹内アナも会場の様子や、これまでの経緯も伝える。

 午後7時に番組は終了しても仕事は続く。スタジオに残り、共演者らと反省会を行う。次の放送に生かすために、その日の課題などは全員で共有するのだ。

 15年から“夕方の顔”を務めてきた竹内アナ。「一日の中でもニュースがより動く時間帯だと思います。今日のような事態も珍しくありません。準備したスタッフらは大変ですが、瞬間瞬間が最優先ですから」とその大変さを明かす。初めて本格的に携わった報道番組。「3・11の特番で被災地に行くたびに『この表現では軽いのではないか』と何を言っていいのか分からなくなります」と言葉の重みをかみしめる。

 同局では来月から徳永有美アナ(43)が「報道ステーション」(月~金曜・後9時54分)のメインキャスターに。竹内アナも「Jチャンネル」を林美沙希アナ(28)にバトンタッチし、月曜から木曜まで「報ステ」のスポーツを担当。金曜日はメインキャスターの大役を務める。

 「視聴者の年齢層の高いJチャンネルではどこか背伸びしていた自分がいました。報道ステーションでは、仕事終わりの方など私と同世代の方が多いと思います。私自身の目線も生かしていきたいです」と抱負を語り、帰路についた。

 ◆竹内 由恵(たけうち・よしえ)1986年1月20日、東京都生まれ。32歳。慶大在学中の2006年に「ミス慶応」に選ばれ、08年にテレビ朝日入社。同期は本間智恵アナ、八木麻紗子アナ。担当番組は「スーパーJチャンネル」「日本サッカー応援宣言 やべっちF.C.」(日曜・深夜0時5分)、「中居正広の身になる図書館」(月曜・後8時)など。身長162センチ。大学時代はボクシング部のマネジャーを務めた。

 放送開始7時間前の午前10時に東京・六本木のテレビ朝日に到着。1時間ほどジムで走ってきたので、朝からスッキリした表情。「今日は台風の話題を扱うことになるのかな…」

 午後1時50分ごろにメイクルームへ。「今日の前髪は…」などとスタッフと話しながら鏡と向き合う。落ち着いて気持ちを集中させる大切な時間でもある。

 午後4時からオンエア準備。机に相撲関連のニュース原稿が置かれる。貴乃花部屋の公式サイトが開かれたパソコンを前に原稿を読む。「大相撲、貴乃花部屋の貴乃花親方が…」。赤ペンを持ちながら真剣な表情だ。

 午後4時30分過ぎにはスタジオへ。マイクをつけて気合を入れる。ニュースボードを前に紹介する話題を確認。「2001年…当時の小泉首相より『痛みに耐えてよく頑張った。感動した!』と。あ、これ覚えています」と高校生時代の記憶がよみがえる。

 午後7時10分ごろから渡辺アナ(右)らと全体で反省会。ニュースを出稿する部の代表者らでネタの過不足を論じる。約10分後、今度は番組内でも反省会。この日はカメラワークの善しあしが議題に上った。「今日はありませんでしたが、私も読み間違えした時などは反省を述べます」

 午後7時30分、業務が終了し、笑顔がこぼれる。「一日、お疲れさまでした。10月からは報道ステーションでお会いしましょう」

芸能

×