大坂なおみを覚醒させたサーシャ・コーチ…真骨頂は「選手の不安を取り除くこと」

スポーツ報知
サーシャ・バイン・コーチ

 6日放送のTBS系「バース・デイ」(土曜・後4時半)では、全米テニス・女子シングルスで日本人として初優勝した大坂なおみ(20)を覚醒させたサーシャ・バインコーチ(34)の人物像を追った。

 2017年12月に大坂のコーチに就任したサーシャ氏。15歳の時に父を事故で亡くし、以来、母と2人の妹との4人暮らし。家族の中で唯一の男性という環境が、現在のコーチング業に大きく影響しているという。同コーチは「女性のことについて多くを学んだよ。女性の心理、注意すべき事、そして何を大事にしなければいけないのかをね」と振り返った。

 家族を養うためにプロテニスプレーヤーを目指すも断念。その後、テニスコーチを目指すため、トッププレーヤーの練習パートナーになることを決断した。

 サーシャ氏が、27歳の時に練習パートナーを務めることになったのは、すでに4大大会を8度制していたセリーナ・ウィリアムズ(米国)。セリーナは、サーシャ氏を家に招き入れ、部屋を与えてくれたそうで、同氏は「学校や本では学べないことをたくさん経験できました」と感謝した。

 セリーナから「ブラザー」と呼ばれ、練習相手にとどまらず、イベントでのエスコート、ボディーガード、プライベートの悩みまで話される仲になったというサーシャ氏。その中で、トップ選手のメンタルを支えることの大切さを学んだという。

 年間300日以上、1日中セリーナと時間を過ごすことになったサーシャ氏はいつしか、テニス界で「セリーナの秘密兵器」と呼ばれるまでになった。

 そんなサーシャ氏には、練習パートナーの就任依頼が殺到。セリーナとの契約が切れた後には、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)やキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)と契約し、共に世界ランキング1位にまで導いた。

 「一番重要なのは、コート以外で楽しい気持ちを持つこと。それがコート上での楽しさにつながる。それが僕の役目で、そういう指導が出来ることに喜びを感じている」とサーシャ氏。昨年、大坂のコーチに就任すると、圧倒的なポテンシャルを持ちながらも、メンタル面での弱さで実力を発揮できなかった大坂の弱点を克服するために、練習以外の時間をテニスから遠ざけた。

 サーシャ氏は「いろいろアプローチをして、彼女から余計なプレッシャーを取り除こうとしました。テレビを買ってあげて、テニスやSNSから遠ざけて。プレイステーションでもやりなよって、プレッシャーを取り除きました」。サーシャ氏はいつでも大坂に明るく接し、きつい練習は共に汗を流した。

 そんな中、大坂は7キロの減量に成功。サーシャ氏の指導の真骨頂、「選手の不安を取り除くこと」も大きく影響し、今年、全米テニス優勝という快挙を成し遂げるまでになった。

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