安藤和津 約20年うつ闘病を告白 今は娘サクラ主演朝ドラ「まんぷく」を正座鑑賞「毎朝スキップの気持ち」

スポーツ報知
著書の出版会見を行った安藤和津

 エッセイストの安藤和津(70)が18日、都内で著書「“介護後”うつ」(光文社刊)の出版会見を行った。06年に亡くなった実母・荻野昌子さん(享年82歳)の介護疲れ、また逝去した後も10年以上、うつだったことを告白。昨年暮れに克服し、今は次女で女優の安藤サクラ(32)が主演するNHK連続ドラマ小説「まんぷく」(月~土曜・前8時)を楽しみに「毎日スキップの気持ちで朝を迎えられる」と笑顔を浮かべた。

 20年に及ぶうつ闘病から抜けだし、表情は晴れやかだ。「ずっとテレビに出たりしていて『えっ!?』て言われるけど、心から笑ったことがなかった。やっと笑えたと思えたのが去年の暮れの出来事」と明かした。特に“まんぷく効果”は絶大。「連続して朝ドラを見るのは初めて。朝、忙しくて…今は前倒しに起きて、その15分は正座して見ています。夫(奥田瑛二)のときもきっちり見ていなかった。あっ、これは内緒です(笑い)」と声を弾ませた。

 娘が演じるのは、インスタントラーメンを発明した日清食品創業者の安藤百福氏をモデルにした青年実業家の萬平を支えた妻・今井福子を演じる。「でも、親孝行だと思う。奥田さんも、出たときに、亡くなったお母さんに『本当に親孝行してもらった』って言われたらしい。私も今、親孝行してもらっている。萬平さんが好きで、サクラに『いいな』って言ったら『何言ってんの』って。安藤百福さんの(実際の)奥さんが仁子(まさこ)さん。安藤で(実母と同じ)『まさこ』。不思議。ご縁があったなと勝手に思っている」と語った。

 著書では、うつから抜け出すまでの苦しかった生活がつづられている。会見でも「母を心底憎み抜いて、何なんだろうと思った。トイレでも『クソババア、死ね』って吐き捨てるように言ったりした。でも、何としても母に、1分1秒でも幸せを味わって欲しいと思って頑張りすぎた」と苦悩を明かした。

 介護が終わりを迎えた後も、夫・奥田の母の逝去や実母の最期をみとったヘルパーの死去、愛犬との別れが相次いだことで、うつから抜け出せなかったという。「みんなが私を見捨てているように思えた。自分だけが取り残されているような感覚。誰も手を差し伸べてくれないという被害妄想に陥ってしまった。でも、うつとは思っていなかった」。同じように介護に悩む人たちに「言いたいのは、私たち世代は元気なうちに子供たちにどういう風に見送ってほしいか伝えることは大切。介護に回る人たちは、やりすぎないこと」と言葉を向けた。

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