クールビューティー唐田えりか、壁ドン返し…映画「覚悟はいいかそこの女子。」公開中

スポーツ報知
圧倒的な透明感を放つ唐田えりか(カメラ・小泉 洋樹)

 女優・唐田えりか(21)がヒロインを務めた映画「覚悟はいいかそこの女子。」(井口昇監督)が12日から公開されている。主演の中川大志(20)の相手役を演じた学園恋愛コメディー作品で、透明感を放っているクールビューティー女子。一度はやめようとまで思い悩んだ女優業だが、今は夢を生きていく覚悟を決めている。

 透明感。クールビューティーを語る時、あまりにも容易に使われてしまう表現だが、唐田の看板に偽りはない。向こう側が透けて見えるような存在感を放っている。

 「透明感って何だろう…と思いますけど、ありがたいです。デビュー当時に(事務所先輩の)有村(架純)さんのマネジャーさんのツイッターで『TMKがすごい』と書いていただいて。まだ高校生で、友達に『えりかのTMKがすごいって!』って言われて『ええ!? 卵かけゴハン(TKG)!?』って思いました(笑い)。透明感と言っていただくので、日焼け止めは塗らなきゃ…とか、白い服ばっかり買ってる時期もありました」

 高校生男女の恋をコメディータッチで描いた本作でも、無色透明の魅力はスクリーンに映えている。

 「『ストロボ・エッジ』『アオハライド』『君に届け』とか少女漫画のキラキラした世界に小中高時代からずっと憧れがありました。でも、私はキラキラしてないので…ほど遠い世界かなあって。諦めていたのでオーディションに通って、すっごくうれしかったです」

 共演したのは中川、伊藤健太郎(21)、甲斐翔真(20)、若林時英(18)ら同世代の俳優陣。女子校出身だが、共学校の日常を疑似体験した。

 「男の子たちがみんなでふざけているのを見て、ずっと笑ってました。共学ってこうなんだろうな~って」

 見せ場は、壁ドンで迫ってくる中川を「壁ドン返し」で迎撃するシーンだ。

 「壁ドンはされるのもするのも初めてでしたけど、恥を捨てて向き合わないとできないですよね。角度もいろいろ考えて。胸キュンシーンを作るのは大変だなーって。大志君は最初から最後までキラッキラでした。本当に助けてもらって。演技がうまくいかなくて、誰にも見えないようなスミッコに座って泣いてたら、何も言わずに『ハイ、唐ちゃん』って箱ティッシュを渡してくれました」

 高校2年の時、マザー牧場(千葉県富津市)でのアルバイト中にスカウトされ、デビュー。ドラマ、映画、CMと順調にキャリアを重ねてきたように映るが、昨夏までは女優業を諦める直前まで思い悩んでいた。

 「演技に向いてないと思ったんです。楽しいと思えないし、苦手意識があって。『20歳になるまで頑張る』って言って千葉から出てきてるので、20歳になる直前に母に電話したら『いつでも帰っておいで』と言ってくれました。帰る場所があるなら、もうちょっとだけ頑張ろうと思ったんです」

 数日後に臨んだのが映画「寝ても覚めても」のオーディション。結果は合格だった。

 「何も考えずに挑みました。でも、濱口(竜介)監督に全部見抜かれて。人としての在り方、人との向き合い方、お芝居の基盤も全てをもらいました。あの作品で自分は変われたと思います」

 東出昌大が一人二役で演じた2人の男性の間で揺れ動く女性を演じた作品はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、絶賛された。釜山国際映画祭では東出とともに「フェイス・オブ・アジア」賞を受賞した。悩める心に自信を与える作品になった。

 「今も演技を楽しいとは思えないし、ずっと思えないかもしれないですけど、苦しみを楽しいと思えるようになったらいいなあと思います」

 最後に「覚悟はいいかそこの女優」と問われたら何と答えるか、と尋ねた。

 「今、女優としてのスタート地点に立てたと思うので、自分の力で少しずつでも上にはい上がっていきたいです。女優として進んでいきたいと思います」

 女優として、の言葉には少しだけ力がこもっていた。

 ◆唐田 えりか(からた・えりか)1997年9月19日、千葉県出身。21歳。高2時の2014年にスカウトされ、芸能界入り。直後に出演した「ソニー損保」のCMが話題に。主な出演作にドラマ「こえ恋」「トドメの接吻」、映画「ラブ×ドック」「寝ても覚めても」など。ファッション誌「MORE」専属モデルを務め、韓国の事務所にも所属して活動している。趣味はフィルムカメラ。身長167センチ。

 ◆「覚悟はいいかそこの女子。」あらすじ
 幼い頃から女子に囲まれて生きてきた超絶イケメンの斗和(中川)は、実は恋愛経験ゼロのヘタレ男子。人生初の彼女ゲットのため、狙いを定めたのは難攻不落のクール系女子・美苑(唐田)だった。壁ドンで迫るも、あえなく撃沈。ところが、偶然の出来事によって2人の距離は急接近する―。椎葉ナナ氏原作の胸キュンラブストーリーコミックを映画化。95分。

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