井浦新「幸せ」 恩師・若松孝二監督を描く最新作に

スポーツ報知
映画「止められるか、俺たちを」の取材会に出席した(左から)高岡蒼佑、毎熊克哉、井浦新、白石和彌監督

 俳優・井浦新(44)、高岡蒼佑(36)が20日、大阪・淀川区の第七藝術劇場で映画「止められるか、俺たちを」(白石和彌監督)の初日舞台あいさつに出席した。

 2012年に亡くなった若松孝二監督が映画製作に没頭していた1970年頃を、門脇麦(26)演じる助監督の吉積めぐみの視点から描いた青春群像劇に、若松監督にゆかりのあるキャストが集結した。「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」(08年)、「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(12年)など、晩年の若松組の常連だった井浦は、恩師でもある若松監督を演じるにあたり「知っているからこそできない。きつかったけど、他の役者が演じているのも想像できない。ずっと具合が悪かったけど、撮影に入ってからはずっと幸せで、1秒たりとも無駄にしたくなかった。こんな気持ちで芝居できるのはもうないと思う」と振り返った。

 話し方の癖やなまりなど、若松監督に似ている部分もあるが、「自分の中に『似せていこう』というプランはまったくなくて、僕の中にある若松監督への思いを出したらああいう形になった」と、自然に発したものだと説明。もし、若松監督がこの作品を見たら?との問いに「『ばかたれ!』ってケラケラうれしそうに笑うでしょうね」と話した。

 また、大島渚監督を演じた高岡は、久々の映画出演となった。「(俳優活動は)もういいかなと思っていた時期で、アパレルとかいろんな仕事をしていたんですけど、お話をいただいた時にこの作品は絶対に出たいと思ってきちんと話を聞く前に受けました」と振り返った。今作では、芸名を「奏輔」から当初の「蒼佑」に戻しているが「僕の中ではそんなにこだわりはないんです。監督の映画(遺作「千年の愉楽」)に出た時にこの名前だったんで、これでいいかなと」と説明した。

 若松監督が設立した映画製作プロダクション「若松プロ」出身で、弟子である白石監督は「このタイトルはもともと若松監督が別の企画に付けようとしていたものなんです。これを付けたからには、若松プロも作品に出ている俳優陣も、止まらないで走り続けていってほしい。これからも若松プロらしい企画があれば動いていければ」と話した。

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