流行語大賞ノミネート 久本雅美さんから考えさせられたネタ作りの極意

2018年11月9日16時0分  スポーツ報知
  • ひょっこりはん

 今月7日、その年に話題となった「2018ユーキャン新語・流行語大賞」の最終ノミネートが発表された。毎年、もう年末なんだなと思いながら一年を振り返っているが、個人的に気にしているのは「お笑いネタ」だ。

 今年は「ひょっこりはん」が入った。言葉としては「ひょっこり~」でもいい気もするが、確かに今年何度も現場に取材に行ったし、そのたびにクスッと笑いもした。

 「流行語大賞を取ると次の年に露出がなくなる」というジンクスも聞かれるが、若手のお笑いタレントにとってはブレイクの目安。色々な事務所の関係者と話すと「ネタ作りにみんな必死です」と舞台裏を明かす。何より力を入れるのは「子供に覚えてもらえる言葉を作れるかどうか」という。

 記者にも中学生の息子がいるが、確かに幼少期は毎年家で違うネタを言っていた。ちょっと前は「今でしょ!」。記憶をさかのぼると「ワイルドだぜぇ」「整いました~」や、赤ん坊の頃は風呂上がりの父親(私)を見て「そんなのかんけいねえ!」と言われたのを思い出す。

 先日、久本雅美さん(60)の還暦記念本発売イベントで話を聞いた。短い取材時間だったが、これは聞いておかないとな、と思い「やっぱり60歳になっても『ヨロちくび』ですよね?」と質問した。すると久本さんはうれしそうに「もちろんよ~!」と言った後「このギャグは何がいいかわかる?」と逆質問してきた。こちらが答えに詰まると意外な答えに目からウロコが落ちた。

 「誰もやらないからよ。誰もマネしないでしょ」―。一瞬、何でと思った。すると「これが下手に流行語大賞になっちゃうと、後になって『いつまでやってるの?』と言われちゃうでしょ。これは流行しないから言われないもん。ずっとできる」と説明され、なるほどと思った。確かに自分の子供が「ヨロちくび~」なんてやったら大半の親は渋い顔になるだろう。とはいえ「ヨロちくび」は国民の大半が知っている。流行語以上の浸透度だ。

 久本さんはさらに「私は70歳、80歳になっても『ヨロちくび~!』。だんだん位置が下がってくるけどね。ガハハ~」と大笑い。私も質問しておきながら、さすがにこの言葉は記事にするのをためらった。

 その瞬間を輝くため、人にマネされるギャグを作るか。息の長い誰にもマネされないネタでいくのか…。流行語候補を見ながらお笑いの難しさを考えた。(記者コラム)

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