【見たい聞きたい】12月2日「サントリー 1万人の第九」開催!佐渡裕氏「世界に誇れるプロジェクト」

スポーツ報知
「サントリー 1万人の第九」で総監督・指揮を務める佐渡裕氏

 世界的指揮者の佐渡裕氏(57)が総監督・指揮を務める、師走恒例のコンサート「サントリー 1万人の第九」が12月2日に大阪城ホールで開催される。今年で36回目、佐渡氏が指揮を始めて20回目の節目だが「回を重ねるごとに重要性を感じている。これでやめるわけではないので」と通過点であることを強調した。

 1983年に始まり、山本直純氏から指揮のバトンを受けたのが99年。「最初は嫌々でした。みんなで集まってただ歌う、お祭りのような要素が嫌だった」。1回だけ引き受けて断ろうと思っていたが、1万人の合唱の熱量に圧倒された。

 参加者一人一人にドラマがあり、年末に「第九」を歌う理由がある。その意識を高めるため、全国各地での練習に加え、佐渡氏が1000人規模のレッスンで直接言葉を伝える通称「佐渡練」を充実させたほか、ホールの使い方を変えるなど改革を進めてきた。

 今年は佐渡氏の師であるレナード・バーンスタイン氏(90年死去)の生誕100周年でもある。「ウエスト・サイド物語」などの名曲を生み出した偉大な指揮者・作曲家の最後の弟子である佐渡氏は、生前の師匠が子どもたちの参加する「ヤング・ピープルズ・コンサート」を一番大事だと言っていたことに驚いた。「ギャラも安いし、いわゆる指揮者としては最初のステップ。『目の前の仕事を大事にしろ』というメッセージかと思った」。だが、それが本心であることを「1万人―」で実感したという。

 「人と人とがつながっているのはすごく重要。喜びを一緒に分かち合い、つらいことを励ますエネルギーになる。本当に大変だけど、このプロジェクトは世界に誇れるんです」。数年前に体重を計測すると、練習開始から本番終了までに7キロも落ちたという。まるでアスリートのように心身を削りながらも師の思いを受け継ぎ、佐渡氏はライフワークに挑む。(河井 真理)

 ◆佐渡 裕(さど・ゆたか)1961年5月13日生まれ。57歳。京都府出身。京都市立芸術大学在学中に指揮活動を始める。パリ管弦楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団、バイエルン国立歌劇場管弦楽団などで客演を重ね、2015年にオーストリア・ウィーンのトーンキュンストラー管弦楽団音楽監督に就任。兵庫県立芸術文化センター芸術監督も務める。

 ◆放送 12月29日午後4時からMBSテレビ、TBSテレビ、HBC、CBCテレビ、RKB、TBCの6局ネットで。

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