祭壇に富士山、静岡おでんも…さくらももこさん ありがとうの会

スポーツ報知
待合室に設けられたおでんコーナー

 フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」(日曜・後6時)の原作者として知られ、8月15日に乳がんのため53歳で亡くなった漫画家のさくらももこさん(本名非公表)のお別れ会「さくらももこさん ありがとうの会」が16日、東京・港区の青山葬儀所で行われ、関係者ら約1000人が出席した。会ではサザンオールスターズの桑田佳祐(62)がアニメのエンディング曲「100万年の幸せ!」を異例の生歌で“献歌”し、さくらさんに最後の別れを告げた。会場にはタレントのビートたけし(71)も駆け付けるなど、生前の幅広い交遊をうかがわせた。

 「ありがとうの会」の中で流された、人生を振り返るアニメ映像でも「あたしゃ、静岡に生まれて良かったよ」というセリフがあったように、故郷を愛していたさくらさん。会場には関係者がその愛をくみ取った気持ちが、随所にあふれていた。

 好きだったダリアやトルコキキョウなど約3万本の花で作られた祭壇は、中央に富士山がかたどられたもの。精進落としの部屋には、「マイおでん鍋」を持つほどおでん好きだったさくらさんを思い出してもらおうと、具を竹串で刺すことや、「黒はんぺん」が特色の静岡おでんが用意された。

 さらに、参列者にはクリアファイルや「ちびまる子ちゃん」が連載されていた少女漫画誌「りぼん」11月号の付録だったさくらさんの追悼特集などと共に、さくらさんが生まれた清水市(現静岡市清水区)発祥の銘菓「アマンド娘」がお土産として手渡された。同商品は今年9月から、まる子のイラストがパッケージに使用されている。

 また、「さくらさんを明るく、楽しく送り出したい」との思いから、出席者の多くが「“もも”色=ピンク」のアイテムを付けて来場。供花の名札の文字や床のカーペットなどもピンク色で統一された。葬儀社のスタッフは男女とも全員、ピンク色のネクタイを締めて会の運営を補助。スタッフによると「主催側から『明るい感じで』と言われたので、考えて全員おそろいのものにしました。葬儀やお別れの会などで、黒以外でこうしてそろえるのは初めてです」と話していた。

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