綾野剛、中国映画で主演 日本人俳優が合作以外では史上初…来年公開「破陣子」

スポーツ報知
中国映画の主演が決まった綾野剛。北京でのクランクインを控え、風水の習わしのもと安全祈願を受けた

 俳優の綾野剛(36)が、19年に中国全土で公開を予定している「破陣子(はじんし)」(董天翼=ドン・ティエンイー監督)に主演し、中国映画デビューすることが9日、分かった。日中合作ではなく、完全な中国製作の映画に日本人俳優が主演するのは史上初だ。

 日本映画界でも欠かせない存在となっている綾野が、海を渡り中国でも輝くこととなった。綾野はすでに訪中しており10日にクランクインを控える。「日本人として中国の映画で主演を担えるのは、大変光栄です。映画の中で自分自身の愛情や思いを表現し、大勢の方々にこの映画を通じて両国の文化を理解していただきたいです。良い映画作りを通して、日中文化交流に少しでも貢献できれば」と語る。

 「破陣子」は、中国で古くから伝わる漢詩をモチーフにした人気舞台の映画化。舞台版は13年に初演され、660万人の観客動員を誇る大ヒット作で、舞台版の脚本を手がけたドン監督が映画のメガホンをとる。

 綾野が演じるのは、平安時代末期に壇ノ浦の戦いで海に飛び込み、南宋の村・白虎蕩にたどり着いた日本貴族。地元の村人から平安(ピン・アン)と名付けられ、やがて村の女性と恋に落ちていく―という役どころだ。

 綾野は、ドン監督から熱い思いのこもった手紙を受け取り、オファーを快諾。「脚本自体が素晴らしく取り扱うテーマが奥深いのはもちろん、登場人物の心のひだが豊富かつ繊細」と未知なる挑戦を決めた。日本語のせりふもあるが、平安が村になじんでいくにつれ中国語のせりふも増え、ラストシーンには怒とうの長ぜりふが控える。3か月ほど前から中国語のレッスンや肉体改造に励み、ストイックな役作りを追求してきた。

 相手役は中国の人気女優、ソン・ジア(宋佳、38)が務める。綾野は「ソン・ジアさんはじめ中国キャスト・スタッフの皆さんと共に、平安を生きる上で確かな化学反応を起こしたい」と意欲。「俳優は絶えず自分との挑戦。このような複雑な役を生きることは、私の役者人生において豊かな時間になります」と確信している。

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