杉良太郎、「遠山の金さん」をほうふつとさせる「下町ロケット」の一喝が日本社会を活気づける

スポーツ報知
「下町ロケット」に、前回シリーズ(15年)に続き、帝国重工社長・藤間(とうま)秀樹役で出演中の杉良太郎

 「自分の立ち場を守るため、ウソを付く。君たちは帝国重工の顔に泥を塗った。恥を知れ!」

 杉良太郎(74)が演じる帝国重工社長・藤間(とうま)秀樹が、社員の奥沢(福澤朗)を叱責する場面だ。独特の間、少し低めの声のトーン。鋭い眼光でにらみをきかせ、奥沢のアゴをクイッと持ち上げるシーンは、画面越しからもド迫力が伝わってくる。

 9日に放送されたTBS系「下町ロケット」(日曜・後9時)のワンシーンだ。

 農業機械の展示会「アグリジャパン」の場で、醜態をさらしてしまった帝国重工の無人農業ロボット「アルファ1」。最初から自分たちの落ち度の可能性は認めず、信用回復のため、原因究明に奔走する次期社長候補の的場(神田正輝)、機械事業部製造部長・奥沢(福澤)は、北海道農業大学の野木教授(森崎博之)の自動走行制御システムに問題があったと結論づけ、揚げ句、開発コードをよこせと無理難題をふっかける―。

 自動走行制御システムの問題について、最後までシラを切り続ける奥沢。絶体絶命のピンチに、藤間社長はさっそうと現れ、部下のミスを指摘し、一喝する。まさに勧善懲悪。タイムスリップして、杉が主演した代表作「遠山の金さん」(1975~79年)を見ているようだった。

 「自分たちが、世の中の中心だと思っている連中に、新規事業はできるはずはない」。まさに、弱きを助け強きをくじく。神戸製鋼所やKYBによる検査データの改ざん問題。森友・加計問題に代表されるように、政治もモヤモヤとした話題が多かった。

 杉のド迫力の演技で、スカッとした気持ちになって、翌朝会社に出かけた人も多かったはずだ。藤間社長は、停滞する日本社会に活力を与えるような存在になっている―といっても大げさではない。

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