海老蔵から世界の團十郎!東京五輪開会式出る「己の命の限り懸命に歌舞伎に生きてまいりたい」

スポーツ報知
写真撮影時に笑顔で見つめ合う市川海老蔵(右)と堀越勸玄くん(カメラ・小泉 洋樹)

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(41)が来年5月に13代目市川團十郎白猿(はくえん)を、長男の堀越勸玄くん(5)が8代目市川新之助を襲名することを14日、松竹が発表した。2人はこの日午前9時、東京・東銀座の歌舞伎座で会見。海老蔵は「己の命の限り懸命に歌舞伎に生きてまいりたい」と決意を語った。同年5月から7月、歌舞伎座で史上最大級の襲名披露興行を行った後、7月24日の東京五輪開会式に登場し、世界に新・團十郎をアピールすることが有力視されている。

 歌舞伎最高峰の大名跡「團十郎」が7年ぶりに復活する。海老蔵は会見で「13代目市川團十郎を襲名させていただく運びと相成りましてございます」とあいさつ。「歌舞伎界にとりまして大変大きな名跡。己の命の限り懸命に歌舞伎に生きてまいりたいと思う所存でございます」と決意表明した。

 襲名披露興行は来年から。通常「團菊祭」が行われる5月に始まり、東京五輪が開幕する直前の7月20日まで、3か月間にわたり歌舞伎座で行われる。その後、11月から約1年間、福岡・博多座をはじめ全国各地で行う予定で、襲名興行としては史上最大級の規模となる。

 新・團十郎として襲名興行以外で初の大舞台となりそうなのが、東京五輪開会式だ。5、6月の襲名興行は通常の2部制で25日間となるが、7月は期間を20日間に短縮し、3部制で行う。東京五輪が開幕する24日は公演予定がなく、日程的に問題ない。

 海老蔵は東京五輪・パラリンピック組織委員会(森喜朗会長)の文化・教育委員会のメンバーとして、何度も会合に出席。一昨年の7月25日には「3年前口上」と題して、国内外にメッセージを発信する動画を大会公式サイト上で公開するなど尽力してきた。襲名披露のスケジュールが固まったことで、開会式への参加は確実視されている。

 開閉会式の演出は総合統括の狂言師・野村萬斎(52)が最終的に決めることになるが、組織委幹部は「海老蔵さんには五輪、パラリンピックのさまざまな啓発イベントに協力していただいている。組織委として感謝していますし、開会式に出てほしいという思いはあります」と前向きだ。

 開会式で日本文化を代表する歌舞伎を披露すればインパクトは十分。海老蔵襲名時の04年には仏・パリでも襲名披露を行うなど以前から海外への関心が高く、国内での襲名興行が終わる21年以降、海外公演を行う可能性が高い。五輪の開会式参加は新・團十郎を世界中にアピールする、これ以上ない舞台になりそうだ。

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