海老蔵“働き方改革”地方は異例の3部制 子供たちとの生活を考慮…團十郎襲名

スポーツ報知
13代目市川團十郎襲名のあいさつをした市川海老蔵(右)と、8代目市川新之助を襲名する堀越勸玄くん

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(41)が来年5月に13代目市川團十郎白猿(はくえん)を、長男の堀越勸玄くん(5)が8代目市川新之助を襲名することを14日、松竹が発表した。

 東京・歌舞伎座での3か月に及ぶ襲名披露興行を終えた後は、海老蔵は各地の劇場を回る。従来は、巡業公演以外の「本興行」は25日間、昼夜公演をするのが一般的だが、今回は2020年11月の福岡・博多座など4か所全てで15日間の3部制とすることが発表された。

 異例の日程は、海老蔵が考える歌舞伎界の“働き方改革”の表れだ。海老蔵は「地方に関して言うと、子供たちと離れる時間が多くなります。1か月以上東京を離れるのは難しいということを考えていただいた結果だと思っております」と話し、歌舞伎座公演のみ出演予定の勸玄くんと、麗禾ちゃんとの生活を考慮してのものとした。

 海老蔵はこれまでも、歌舞伎俳優の「働き過ぎ」に警鐘を鳴らしてきた。その結果、17年7月の歌舞伎座公演では、初めて半日(夜の部)だけではあるが、休演日を設けることを実現させた。その後も、座頭を務める公演では休演日を作っている。当時、海老蔵はブログで「歴史的快挙と私はおもう。そしてこれが続くことが未来の歌舞伎役者のためでありお客様のためでもある」とつづっていた。それを更に進めた形で、改元後の「新時代」の興行の在り方を示したと考えられる。

 3部制としたのは、日数を減らす替わりに、延べ公演数を増やすことで、一人でも多くのファンに自らの「晴れ舞台」を見てもらいたいとの気持ちから。「日本にはまだ、歌舞伎を見たことのない人がたくさんいる。もっと、多くの人に見てもらいたいですね」と海老蔵。今回の決定は役者とファン、双方にとってプラスに働くことになるだろう。

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