市原悦子さん“樹木葬”大好きな自然の緑に囲まれ天国へ

スポーツ報知
観葉植物などが飾られた市原悦子さんの祭壇

 12日に心不全のため亡くなった女優の市原悦子(いちはら・えつこ、本名・塩見悦子=しおみ・えつこ)さん(享年82)の通夜が17日、東京・青山葬儀所で営まれ、俳優の阿部寛(54)、脚本家で俳優の宮藤官九郎(48)ら600人が参列した。自然を愛した市原さんらしく、祭壇は観葉植物など緑一色に飾られた。遺骨を樹木の下に埋める「樹木葬」とすることも明らかになった。18日に同所で葬儀・告別式が営まれる。

 森をイメージした祭壇に飾られたのは5本のコチョウランを除き、花ではなく草木や観葉植物だった。大好きな緑に囲まれて、市原さんは天国へと旅立つ。

 祭壇に合わせ、ひつぎも淡い緑色に。ひつぎには市原さんの写真集、著書を4冊ずつ、台本を読む際に使っていた眼鏡や手鏡、お気に入りの洋服などが納められた。

 長年の功績をたたえようと、祭壇の両サイドには出演した舞台の写真パネルがズラリ。通夜が始まると「家政婦は見た!」「おばさんデカ 桜乙女の事件帖」「弁護士高見沢響子」など、ドラマの代表作のダイジェスト映像が約10分間、流された。

 市原さんを俳優座の駆けだし時代から知る音響効果家・田村悳(いさお)さんが弔辞を読み、20年来の親交があった「ゴダイゴ」のリーダー、ミッキー吉野(67)がピアノを演奏。市原さんが愛した音楽劇「三文オペラ」の劇中歌「マック・ザ・ナイフ」、市原さんとの共演した舞台「二人だけの舞踏会」のテーマ曲「夢とごはんの木」の2曲で弔問客の涙を誘った。今月も2度、市原さんを見舞った吉野は「心臓に突き刺さる演奏をしてね、と言われていた。2、3日練習したけど涙が止まらなくてつらかった」と声を落とした。

 散歩が趣味だった市原さん。今後も自然の景色を眺められるよう、遺骨は関東近郊の寺にある樹木の下に埋められる。関係者によると、2014年に夫で演出家の塩見哲さん(享年80)が亡くなった際、「コンクリートの下に眠らせるのはかわいそう。自然にかえしてあげたい」と「樹木葬」を提案。吉野夫妻らとともに場所を探した。自身が見つけた安息の地で眠ることになる。

 18日の葬儀・告別式では市原さんの初主演映画「蕨野行」(03年)の恩地日出夫監督(85)が弔辞を読む予定だ。

 ◆樹木葬とは 樹木を墓標にし、そのまわりに遺骨を埋葬するなどの埋葬方法で、個別と合祀(ごうし)がある。年間管理費などがかからない場合が多い。お墓以外のほかの埋葬法に海に散骨する海洋葬や、遺骨をロケットや巨大風船で打ち上げる宇宙葬などがある。

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