トム・クルーズ公認吹き替えの声優・森川智之、最高月収は900万円

スポーツ報知
森川智之

 米俳優トム・クルーズ公認の日本語吹き替えで有名な声優・森川智之(51)が17日深夜放送のテレビ東京系「じっくり聞いタロウ ~スター近況(秘)報告~」(木曜・深夜0時12分)に出演し、最高月収を明かした。

 森川が、トムの公認を得るきっかけとなったのは、米映画「アイズ・ワイド・シャット」(1999年、スタンリー・キューブリック監督)の吹き替えオーディションだったという。

 MCの次長課長・河本準一(43)らから「なかなか厳しいオーディションだと聞きました」「何人もいたんですか?」と聞かれた森川は「1年ぐらいを通して、トムの声を探していたみたいでした」と返答した。その理由を「(スタンリー・)キューブリックって鬼のような監督で、2秒のシーンでも100テイク200テイク撮る方」と説明。吹き替え担当はキューブリック監督のまな弟子レオン・ヴィタリ監督で、こだわりが強くなかなか吹き替えが決定しなかった。

 森川は「僕が一番最後にオーディションを受けたんですよ」といい、「声優って声で演技する仕事なので感情豊かにしゃべるじゃないですか。そしたらレオン監督に『演技をするな。トムはそんなに大きな声を出さない』とダメ出しされました。じゃ、どうでもいいやと思って、ダラ~っとしゃべったら受かっちゃったんです」と明かした。

 いざ収録が始まると、レオン監督は「トムと同じように作り込んでくれ。トムがこの役をどう思ってどう組み立てて行ったかをたどってくれ」と森川にも注文し、通常、1日で終わる映画1本の吹き替えが森川1人だけで1週間かかった。「15分のシーンを撮るのに1日がかりだったり、ベッドシーンも収録スタジオにベッドを置いて収録しました」と日本では考えられない録音方法だったという。

 そのかいもあり、「世界中で日本の吹き替えが一番良かった」とトムは森川を絶賛。それ以降、森川は米映画「ラストサムライ」(2003年、エドワード・ズウィック監督)など15作品で、トム・クルーズ公認の日本語吹き替えを任されている。

 河本から「声優のギャラ事情」を聞かれた森川は「アニメと吹き替えはランク制で、ギャラのルールが決まっているんです」と返答。1行だけの脇役と最後までセリフがある主役でも基本のギャラは同じで、最低ランクだと1回の放送で1万5000円ほどと打ち明けた。

 声優には、ラジオの仕事やナレーションの仕事が入ることもあるらしく、「そういうのはランクが無いので、一つ一つ交渉で決まる。30代半ばで月900万円近くを稼いだこともありました」と打ち明けた。しかし「(声優は)波が激しいので、仕事が無いときは(月収)20~30万円の時もあります」と告白した。

芸能

×