主演男優賞に舘ひろし、裕次郎さん&渡哲也に「半歩だけ近づけたような気がします」…ブルーリボン賞

スポーツ報知
「“あぶない刑事”はもう“終わった人”なんだけどね」。カメラマンのリクエストで銃を撃つポーズをする舘ひろし

 東京映画記者会(報知新聞社など在京7紙)が主催する「第61回(2018年度)ブルーリボン賞」が20日、決まった。主演男優賞は「終わった人」(中田秀夫監督)の舘ひろし(68)、主演女優賞は「止められるか、俺たちを」(白石和彌監督)の門脇麦(26)が、ともに初受賞となった。作品賞は「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)が選ばれた。授賞式は2月6日、東京・内幸町のイイノホールで行われる。

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 石原軍団の系譜を継ぐ受賞となった。舘は「賞を頂くタイプじゃないですよね。照れくさいです」と笑う。ブルーリボン賞は、師匠の故・石原裕次郎さんが1957年度に新人賞を、兄貴分の渡哲也(77)が76年度の主演男優賞など3度の受賞。「僕にとって遠い存在ですが、半歩だけ近づけたような気がします」と喜びをかみしめた。

 昨年9月には同作でモントリオール世界映画祭の主演男優賞を受賞した。「渡が言ってくれたんです。『ひろし、よかったな。お前は大根の花を咲かせたんだよ』って。大根役者の軍団ですからね。恥ずかしいような、誇らしいような」。国内映画賞初受賞となった今回も、電話で祝福された。「『もらえるものはもらっとけ』と…」

 代表作「あぶない刑事」などダンディズムあふれる男を演じ続けてきたが、本作で挑んだのは出世コースを外れて子会社で定年を迎えたサラリーマン。コミカルかつ哀愁の漂う演技が光った。手本としたのは「あぶない―」で30年間コンビを組んだ柴田恭兵(67)。「恭サマの軽やかな芝居に憧れ、嫉妬もして、目の当たりにして吸収しました。彼と一緒にやって来なかったら、こんな芝居はできませんでした」。題名とは逆に、主人公を「始まった人」と捉えて演じた。「人生は最後まで挑戦していくものだと思うから」と振り返った。

 9月に開幕するラグビーW杯では、高校時代にラグビー部主将だった縁で大会PRキャプテンを務める。本作の設定も「元野球部」から「元ラグビー部」に変更された。全て一本の線につながった。「僕は運が良いんだろうな」

 授賞式で司会を務める新垣結衣(30)とはドラマ「パパとムスメの7日間」で共演した間柄。「結衣が司会か…。まだ『パパ』って言うんですよ」。主演男優賞と主演女優賞の受賞者は来年の授賞式で司会を担当することになっている。「『あぶない司会』になっちゃうかもね。(主演女優賞の)門脇麦さんには手綱を締めていただきたいです」と軽やかに笑った。(北野 新太)

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