【嵐の裏側】〈上〉“予兆”はあった…担当記者の前にそろって姿を見せた昨年7月1日

スポーツ報知
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 嵐が2020年12月31日をもって活動休止する。きっかけは17年6月にリーダー・大野智(38)が脱退を切り出したことだ。27日の会見で大野は「きっかけは正直ない。だいたい3年前くらいから、そういう気持ち、思いが芽生えて、どんどんそれが強くなっていった」と明かした。当時から“予兆”はあった。連載で、その様子をひもとく。

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 20周年記念ツアーの開幕を2週間後に控えた昨年11月3日、5人は都内のレストランでシャンパングラスを手に乾杯した。デビュー20周年の記念日で、事務所の配慮もあって、全員がオフ。5人だけの“成人式”だった。「今日は嵐の20周年のデビュー日なんだよ。お陰さまで」。5人でスピーカーフォン越しに“生みの親”であるジャニー喜多川社長に感謝の言葉を伝えた。

 5人が「活動休止」という結論を出したのは、その5か月前のことだった。話題はツアーに向けたものもあったが、それぞれの健康の話など、30代半ばの、とりとめのない話題ばかり。27日の休止発表の会見で笑顔を見せたように、何度も膝をつき合わせて強めた太い絆を確かめ合いながら、5人だけの空間を楽しんだ。

 18年6月に活動休止で話がまとまったとき、4人は大野に「最後まで笑っていよう」と言葉をかけた。覚悟を決めた直後から、5人の姿に変化が表れた。 

 7月1日、5人は本紙など担当記者の前に、そろって姿を見せた。毎年恒例の授業イベント「嵐のワクワク学校」の最終日(東京ドーム)の公演前だ。この日、ステージで20周年記念ツアーの発表をしたが、事務所関係者は「ぜひ、自分たちの言葉で説明したいみたいだから」と理由を明かした。12月23日には、全50公演に及ぶツアーの全容発表に各局ワイドショーも集めて取材に応じた。

 NHK紅白歌合戦のリハーサルを除き、5人そろって報道陣に向き合う機会は、2015年以来遠ざかっていた。“空白”の3年間に、大野は葛藤と闘っていた。(特別取材班)

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