帆純まひろ、「CASANOVA」新人公演で待望の初センター 背中で語れる男役に

スポーツ報知
キリリとしたまなざしが印象的な宝塚歌劇花組の男役ホープ・帆純まひろ

 宝塚歌劇花組のホープ・帆純(ほずみ)まひろが、今月26日に兵庫・宝塚大劇場で上演する「CASANOVA」の新人公演で、待望の初センターを務める。特技のバトントワリングで学んだ「キラキラ」の魅力発信を目指し、希代のプレイボーイ・カサノヴァ役に体当たり。今春で入団7年目になる美形スター候補は「感性に自信を持って悔いのない生き方をしているカサノヴァさんのようになりたい」と、役どころの人間力をパワーに変えている。東京宝塚劇場では4月11日に上演。(筒井 政也)

 入団後の組回りから2014年2月に“花男”になって丸5年。「その背中を見て育ってきた」トップスター・明日海りおに直接学ぶ絶好機を得た。新人公演最上級生の責務とのプレッシャーが重なるが「あまりうまくいかない時期も見捨てずに応援してくださった上級生やファンの方の温かさを忘れずに、心からウソなく舞台に立ちたい。それが今のモットーです」。感謝を胸に初主演に臨む。

 18世紀の伊ベネチアに実在し、1000人もの女性に愛されたとされるカサノヴァの脱獄からの冒険劇。「求める自由が、私たちにはない感覚ですが、もしかすると『こういう男役になりたい』という思いと近いのかも。自分は迷い迷いで、優柔不断なところもたくさんあるので(笑い)、役の力を借りたいですね」。「1789」「アーサー王伝説」などを手掛けたフランスの作曲家ドーヴ・アチア氏が全曲を提供したのも話題。「歌劇団なので、歌でも心をお届けしたい」と総合力アップも宿題だ。

 観客の目を引きつける素養は元々あった。入団を志したきっかけの一つが、幼少の頃から取り組んだバトントワリング。全国大会では優勝常連のチームで腕を磨き、大阪・御堂筋パレードでも活躍した。「日常的には皆さんご存じない競技でもあり、見た方々が『わ~、スゴイ!』と喜んでくださるのが素直に好きで。それが原点だと思います」

 バトンの先生が宝塚ファンでもあり、05年の宙組「炎にくちづけを」「ネオ・ヴォヤージュ」で初観劇。「バトンは落とさないように…とプレッシャーと戦うんですが、ショーであんなに楽しそうにキラキラと歌ったり、踊ったりしているのが単純にステキでした」と感動。中学2年でバトン個人の部で全国大会に進出したのを機に、音楽学校の受験勉強に照準を切り替えた。「授業のメニューを見て『なんていい学校なんだろう』って(笑い)」。

 異色の経歴から「みんなより一歩遅れているから頑張らなきゃ」と努力を重ね、99期生では初めてつかんだ主演の座。同期で同じ花組だった亜蓮冬馬(あれん・とうま)が、けがで昨年12月で退団しており「亜蓮に恥ずかしくないように頑張っていきたい」と誓った。

 170センチの長身と、前雪組トップスター・早霧せいな(現女優)から「下級生の頃の私に似てるね」と直接言われた美貌の持ち主。一気に注目を集めそうだ。「伝統ある花組に入った以上は、背中で語れる男役に。一舞台人としては、演じる事がすごく好きなので、どんな役や場面にもきちんと染まることができるノーマルな“真っ白”な人でいたいな」。芸名の「純」に込めた初心を忘れず、ピュアにキラキラと輝く。

 ◆帆純 まひろ(ほずみ・まひろ)3月15日生まれ。兵庫県西宮市出身。2013年4月「ベルサイユのばら」で初舞台。99期生。花組配属。15年には第2回台湾公演にも参加。これまでの新人公演では95期生の柚香光(ゆずか・れい)、水美舞斗(みなみ・まいと)の役を主に務めた。身長170センチ。愛称「せの」「ホッティー」。

芸能

×