堀ちえみ、舌がんを公表「私はまだ生きなければならない」

　タレントの堀ちえみ（５２）が１９日、自身のブログでステージ４の口腔（こうくう）がん（左舌扁平上皮がん）であることを公表した。この日入院し、２２日に手術する。昨夏、口内炎ができ診察を受けたが、がんとは診断されず、今年１月に大学病院に行き検査入院。２月にがんと判明した。左首のリンパにも転移しており、手術では舌の半分以上と首の腫瘍を同時に切除する予定だ。約３０００字にわたるブログで経緯をつづり「私は負けない！」と決意を明かした。　この日の午前１０時。堀は約３０００字にわたる長文ブログで「ステージ４の口腔がん」という衝撃の発表をした。口腔がんの中で最も発生率の高い「舌がん」だ。

　異変を感じたのは昨夏。舌の裏側に口内炎ができ歯科医などで診察を受けたが、がんとは診断されなかった。１１月にも別の病院に行ったが症状は改善されず、痛みはひどくなる一方。今年１月、疑問に思いスマホで「舌がん」を検索すると、同じような画像を何枚も発見し、大学病院へ。その場で「悪性の舌がんの可能性が高い」と診断され、検査入院後の２月４日、口腔がんと左首のリンパへの転移が判明した。

　２２日に手術を行うため、この日都内の病院に入院した。舌の半分以上を切除し首のリンパに転移した腫瘍も同時に切除するもので、１２時間にも及ぶ大手術になる予定という。１５日に出演した東海テレビ「スイッチ！」が入院前最後の仕事で、今後は治療に専念する。

　たばこは吸わず。以前は好んで飲酒していたが、昨年初めから飲めない体質に変わったそうで、昨年１０月２０日付のブログで「なぜか今年に入ってからお酒を飲んだらやたらと眠くなってしまいます」とつづっていた。

　大病は、今回が初めてではない。１５年４月には原因不明の右大腿（だいたい）骨頭壊死（えし）と診断され、手術で人工股関節に。１６年からはリウマチと神経因性疼痛（とうつう）を患い、投薬治療を続けてきた。がん告知に「このまま治療せずに人生の幕を閉じていいのかな」とも考えたが、１６歳の娘の「お母さんは病気ばかりでかわいそうな人生だった」という涙の言葉に「そういう思いを子供たちの心に残したままで、闘いもせずに諦めていいのだろうか。主人と子供たち、家族のために、私はまだ生きなければならない」と手術を決断した。１５日の誕生日には家族で食事をする様子をブログにアップしていた。

　堀は８１年、第６回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを獲得し芸能界入り。８２年に歌手デビューした。同期には中森明菜（５３）、小泉今日子（５３）、シブがき隊らが顔を並べ“花の８２年組”と呼ばれた。

　大ブレイクのきっかけとなったのが８３年のＴＢＳ系「スチュワーデス物語」。日本航空の客室乗務員訓練生が、仲間との友情、対立、風間杜夫（６９）演じる教官との恋愛などを通じ成長していく姿は社会現象となり、劇中での「教官！」「ドジでノロマな亀」のセリフは流行語にもなった。

　プライベートでは３度結婚。７人の子どもの母親で、子育てをしながら仕事をこなしてきた。持ち前の前向きな心で、がんにも打ち勝つ。

　◆口腔がんとは

　▼種類　口の中にできるがんで数種類あるが、舌がんが最も発生頻度が高く、全体の約４０％。粘膜の上皮から発生する「扁平上皮がん」がほとんど。
　▼症状　初期は、２週間以上治らない口内炎、入れ歯の違和感、歯のぐらつきなど。進行すると、しこりができたり、ものをかんだり飲み込むことが難しくなる。発音障害、開口障害などが起きる。
　▼原因　発症リスクを高めるのは喫煙と飲酒。虫歯や入れ歯の不適合などによる慢性刺激の可能性も。性別では男性、年齢では５０代以上が発症しやすい。
　▼５年生存率　部位やステージによって異なるが、全体では６０～８０％。初期の場合は９０％以上。

　◆堀ちえみの体調の変化

　▼１８年夏ごろ　舌の裏側に口内炎ができ病院へ。ビタミン剤などを処方される。

　▼１１月　歯科医院で再診察し、何度かレーザーで焼く。リウマチの主治医に相談し、薬の服用を止める。

　▼１９年１月２１日　症状がひどくなり大学病院へ。舌がんの可能性を指摘され２日間入院。

　▼２月４日　生体検査の結果、口腔がんと診断。左首のリンパにも転移していることが判明。

　▼１９日　入院。ブログでがんを公表。

　▼２２日　手術予定。

　◆堀　ちえみ　本名・尼子智栄美（あまこ・ちえみ）１９６７年２月１５日、大阪府生まれ。５２歳。８１年に芸能界入り。８２年３月２１日、シングル「潮風の少女／メルシ・ボク」でデビュー。同年４月、ＴＢＳ系「メチャン子・ミッキー」でドラマ初主演。ドラマの代表作にフジテレビ系「スタア誕生」「花嫁衣裳は誰が着る」など。近年はバラエティー・情報番組を中心に活躍。血液型Ｂ。