藤原季節、「オレオレ詐欺男」役で映画初主演 天草舞台の来夏公開「のさりの島」

スポーツ報知
天草市内で初主演映画に挑んでいる藤原季節(C)Matsuda Miyuki

 俳優の藤原季節(26)が映画「のさりの島」(来夏公開予定、山本起也監督・脚本)で映画初主演することが9日、分かった。

 プロのスタッフと、京都造形芸術大学の学生による混成製作チーム・北白川派の第7弾作品。同大学副学長で脚本家の小山薫堂氏がプロデューサーを務め、オレオレ詐欺をモチーフに、「誰もが何かを信じたい」という人間の希望を描く。

 九州を縦断し、オレオレ詐欺の旅を続ける若い男。都会から離れた熊本・天草で老女(原知佐子)に電話をかける。金を取りに行くと、老女は「孫」と思い込み、そのまま奇妙な同居生活が始まる―。

 藤原は上京後の13年、松田龍平らが所属する「オフィス作」のワークショップに参加し、応募者総数500人から事務所入りした。14年に俳優デビュー。下積み期間を経て、今回、大役をつかみ取った。

 映画初主演に「大きな責任やたくさんの思いを背中に感じることもありますが、それよりも10代の学生たちに負けないくらい、映画作りを全力で楽しみたい」と気合十分。天草市内で撮影が始まり、泊まり込みの生活が続く。「地元の方々と触れ合うことで何を感じるのか。作り込まれた物語の中で、『生』の時間を過ごすことができるぜい沢をかみ締めています。後悔も悲しみも思い出も、静かに包んで消し去ってしまうようなこの島で、人間の心が散りばめられて光っている。それらを拾い集めたりばらまいたりするような、言葉では形容できない映画が誕生する気がしています」。3月中旬のクランクアップまで、全身全霊で役と向き合っていく。

 山本監督は「オレオレ詐欺を擁護するわけではありませんが、一方で、ネット情報の星いくつみたいな情報を鵜呑(うの)みにし、右往左往する私たちを見ていると、『本当』と『ウソ』の境界ってどこにあるのだろうか、と思ったわけです」と説明。「『本当』も『ウソ』もない。あるのは、信じることだけではないか。そんなことを描くことができれば」とコメントした。

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