役所広司、主演男優賞&特別賞2冠!「映画を通じてアジアがつながれば」…アジア版アカデミー賞

スポーツ報知
主演男優賞と特別賞の2冠を達成した役所広司

 【香港17日】アジア版アカデミー賞「第13回アジア・フィルム・アワード」授賞式が「TVB City」で行われ、俳優の役所広司(63)が主演男優賞を受賞した。日本人俳優の同賞受賞は2年ぶり3人目。映画界への貢献を評価され特別賞「エクセレンス・イン・アジアン・シネマ・アワード」も受賞し、「映画を通じてアジアがつながれば。これをバネにもうひと頑張り」と喜びを爆発させた。

 「孤狼の血」で今年度の日本アカデミー賞・主演男優賞を受賞した役所が、今度は“アジアの顔”になった。

 主演男優賞受賞の瞬間、目を丸くして「俺?」と漏らした。笑顔を浮かべて上がったステージでも一言目は「しまった…」だった。主演男優賞に先駆けて特別賞を受賞しており、授賞式の中盤に登場。「ダージャーハオ(こんにちは)、アイム・コウジ・ヤクショ」と切り出し、あえて日本語を使わず事前に練習した英語と中国語で1分半にわたりスピーチした。主演男優賞による2回目のスピーチは想定外。「知っている英語はさっき賞をいただいて全部しゃべってしまったので、日本語でしゃべります」とあいさつすると会場が温かい笑みに包まれた。

 「こんなに幸運をいただいて、なんだか僕の人生の全てを使い果たしてしまったのではないかと怖くて仕方ありません」と感無量の様子。「『孤狼の血』を作った仲間がびっくりして喜んでくれると思います」と白石和彌監督らに感謝し、「幸せでいっぱいです。シェイシェイ(ありがとう)」と締めると大きな拍手が起こった。

 主演男優賞は3度目のノミネートで初めての受賞。特別賞と合わせて2冠となった。香港は初訪問だが「モチベーションにつながる。香港が大好きになりそう」と喜んだ。

 “生涯現役”の証明とばかりに、スポーツ報知の取材に「孤狼の血」の続編にも言及した。役所が演じる主人公の刑事・大上章吾は劇中で殉職する。すでに製作が決まっている続編への出演は再現シーン以外では不可能と思われがちだが、同じヤクザ映画の代表作「仁義なき戦い」シリーズでは死んだ俳優が、別の役で復活している。東映は「絶対に出てほしい」と出演を熱望。役所も「映画に支障がなければ参加していきたい」と前向きな姿勢を見せた。

 なお、作品賞は是枝裕和監督の「万引き家族」が受賞した。

 ◆アジア・フィルム・アワード アジア映画、俳優を対象とした映画賞。16部門の各賞を選出する。2007年に香港国際映画祭開催30年と香港返還10年を記念してスタートし、以後、毎年3月に香港で開催。今回は中国の女優で映画監督のジョアン・チェン(57)が審査員長を務め、渡辺謙(59)が特別審査員を務める。

芸能

×