矢沢永吉「もっと生きてほしかった」異例の追悼コメント ロック界から裕也さん悼む声続々

スポーツ報知
最後の公の場となったライブで熱唱する内田裕也さん

 内田裕也さんの訃報を受けて18日、影響を受けたロックミュージシャンたちが続々と追悼コメントを発表した。ロックバンド「キャロル」時代から親交のあった矢沢永吉(69)は、大先輩との別れに「よぼよぼになっても、もっと生きてほしかった」と悔やんだ。他に同時代を生きたミッキー・カーチス(80)や萩原健一(68)、布袋寅泰(57)らが悲しみに暮れた。

 日本のロック界のパイオニアとして、内田さんは数々のアーティストに影響を及ぼしてきた。永ちゃんも、その1人だ。所属事務所を通じて「裕也さんがいなくなるってさみしいですね。じいさんになっても、よぼよぼになっても、もっと生きてほしかったです」と無念の思いをにじませた。

 矢沢が追悼コメントを発表するのは異例だ。キャロルのデビュー時に内田さんにプロデュースを依頼した過去がある。そのときタッグは実現せず、その後の交流も、表立って語られることはほとんどなかったが、異例の対応が2人の関係の深さ、矢沢の尊敬の念の大きさを物語っていた。

 内田さんは沢田研二らザ・タイガースを大阪で見いだした後、単身渡英。ジミ・ヘンドリックスら本場で体感したロックを日本に持ち帰り、フラワー・トラベリン・バンドらをプロデュース。打倒・紅白歌合戦を合言葉に立ち上げた年越しライブ「ニューイヤーワールドロックフェス」は昨年で46回目を迎えた。

 ザ・テンプターズ時代からの付き合いだったショーケンは「非常に残念です。近々、企画書をもって裕也さんと共演することを楽しみにしていましたが、奥様のご不幸があり、タイミングを逃しました。心よりご冥福をお祈りします」。同世代のカーチスも「世間では俺と裕也が対立してると思われているけど、実は意外と仲が良かった。ロックンロール、お疲れ」と敬意を表した。

 バンド「ザ・ロッカーズ」のボーカルとして毎年「ニューイヤー―」に出演してきた陣内孝則(60)は「歌がうまくないとかヒット曲がないとか批判する人もいましたが、あんなにセンスの良い色気のあるカッコイイ人を私は知りません」。また昨年、自身のツアーで共演した布袋は「ロックンロールとは『頑張ろうぜ!』の合言葉。僕も死ぬまでロックンロールします」と感謝の思いを寄せた。内田さんがロック界に残した功績は、計り知れない。

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