希林さんの神対応の“師匠”だった裕也さん 記者も一人の人間「逃げ隠れしない」

スポーツ報知
有馬記念の予想をした内田裕也さん

 ロック歌手の内田裕也(うちだ・ゆうや、本名・内田雄也)さんが17日午前5時33分、肺炎のため都内の病院で死去した。79歳だった。葬儀、告別式は近親者で執り行う予定。「生涯ロックンローラー」として数々の“伝説”を生み、刑事事件や都知事選出馬など、本業以外で話題になったことも。また昨年9月に死去した妻の女優・樹木希林さん(享年75)との夫婦関係は、奇妙かつ固い絆で結ばれていた。樹木さんとの別れから半年、後を追うように天国に旅立った。

 競馬予想でスポーツ報知の1面を飾ったこともあった裕也さん。樹木さんにその紙面を見せながら「スポーツ紙の1面に載ることが、どれだけ大変ですごいことか分かっているのか?」と熱弁したという。

 記事に注文を付けない樹木さんが珍しく「言いにくいんだけどさ…」となったことがあった。インタビュー記事の略歴にあった最初の夫、岸田森さんの名前を「削ってもらえないかしら?」と言われた。「あの人、そういうの気にするから」

 奇妙で独特な“師弟関係”があったかもしれない。何かと騒ぎを起こしたのは裕也さんだったが、妻に取材対応の極意を伝えたのは夫だった。「逃げ隠れしないこと。私にマスコミとの付き合い方を最初に教えたのは裕也さんなの。『記者は取材時は新聞社を背負ってるが、個人なんだぞ。ちゃんと普通に付き合えばいいんだ。一人の人間なんだぞ』ってね」。樹木さんは、この言葉を忠実に守り、取材陣への神対応を続けたのだった。

 ◆有馬連続的中も

 内田さんは本紙競馬面でもロックンローラーらしい痛快な馬券予想で活躍した。2016年12月の初登場でいきなりGIの有馬記念に挑戦。見事3連単3940円をヒットさせた。17年の同レースではキタサンブラックの単勝と複勝のみのピンポイント予想で勝負し、見事2年連続的中を果たした。

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