永野芽郁「10代の集大成」…映画「君は月夜に光り輝く」で難病の少女熱演

スポーツ報知
朝ドラ後、初主演作に挑んだ永野芽郁。「知識、考え方のレパートリーが増えた」と成長を語った(カメラ・小泉 洋樹)

 女優の永野芽郁(19)が、4人組グループ・DISH//の北村匠海(21)とダブル主演した映画「君は月夜に光り輝く」(月川翔監督・脚本、公開中)で不治の病を患う少女を熱演している。昨年のNHK連続テレビ小説「半分、青い。」の後、初の主演作。ハツラツとした朝ドラとは一転、死が迫る中で思いを寄せ合う男女2人を描いた青春物語。永野はインタビューに応じ、「10代の集大成のような作品になった」と語った。

 朝ドラのヒロインを演じきり、心身共にたくましくなった。雰囲気も、どことなく大人びた印象だ。

 10か月に及ぶ長期の撮影を終え、挑んだ今作。「終わらないものはないってことを経験して、心に余裕がありました。(撮影中に)大変だと感じたことが一つもなかったんです」と明るい。「疲れていた瞬間はあったけど、(朝ドラは)もっと大変だった。あの時の限界に達していない限り、大丈夫だなって」。スクリーンそのままに、屈託のない笑顔がはじけた。

 死期が近付くと肌が光る不治の病・発光病。永野はこの病気を患い、隔離病棟で入院生活を余儀なくされる少女を演じた。

 宣告された余命を過ぎ、余命ゼロとなった少女。死と隣り合わせだが、そこに絶望や悲観はない。

 「余命ゼロだから悲しい―みたいな女の子にはしたくなかった。余命ゼロと分かっているからこそ、(病気と)向き合ってきた芯の強さを出したかった。そこだけはぶれたくなかった」

 病院から出ることを許されないため、病室でのシーンが大半を占めた。そこを訪ねる同級生の卓也(北村)に「遊園地で遊びたい」「パフェを食べたい」など、かなえられない願いの“代行体験”を託す。何度か重ねるうちに、少女は人生の楽しさを覚え、互いにひかれ合っていく。

 余命ゼロと、卓也に打ち明けるシーン。序盤の印象的な場面だが、驚くほど、あっけらかんと言ってのける。少女の達観した部分を表現したいという永野のアイデアだった。

 「言っている言葉と表情が違う方が、相手は感情をえぐられる。『余命ゼロ』と暗く言われるより、明るく言われた方が『えっ?』ってなる。予想外があった方が面白い」

 10代後半から43歳まで演じた朝ドラ。重圧から解き放たれると、脱力感に襲われた。

 「一人の女性の人生を生きるって、とんでもない体力が必要だった。終わった直後は抜け殻…。何も手が付かなかった」

 写真集の撮影のために米フロリダを訪れるなどして、1か月間をリフレッシュ期間に充てた。クランクイン時には、演じることへの欲求で満たされていた。

 「全部(のシーン)で“生きている”という感じがした。『幸せだな』『このシーン切ないな』という現場で得た感情が、そのままスクリーンに反映されていた。この映画自体が、いとおしい。意識していなかったけど、10代の集大成のような作品になったと思う」

 吉祥寺でスカウトされて芸能界入りしたのは、10歳になる年だった。ドラマや映画の主演、雑誌「Seventeen」の専属モデルなど、この10年、がむしゃらに駆け抜けてきた永野。9月には20歳を迎える。

 「10代は学生でありながら仕事もして、どっちに寄ったらいいか分からない瞬間もあった。自分と葛藤しながら過ごしていた。誕生日を迎えたら一度、リセットしようと思う」

 初心に帰り、イチから積み上げていく覚悟だ。

 「年齢(という概念)にとらわれすぎず、自分の気持ちに素直でありたい。残りの10代(の半年間)は、のんびりと。友達と遊びに行ったり、旅行にも行ったりしたいな~」(加茂 伸太郎)

 ◆永野 芽郁(ながの・めい)1999年9月24日、東京都生まれ。19歳。小学生時に吉祥寺でスカウトされ、モデルデビュー。「ニコ☆プチ」「nicola」の専属モデルとして活動。15年映画「俺物語!」のヒロインに抜てき。16年「こえ恋」でドラマ初主演。17年「ひるなかの流星」で映画初主演。身長163センチ。血液型AB。

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