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フジ・三上真奈アナに教えられた…記者だって「もっと(頭の)瞬発力を鍛えないと!」

2018年5月11日19時24分  スポーツ報知
  • 4月から「ノンストップ!」のMCを務めている三上真奈アナ

 芸能記者としてアイドル、タレントやテレビ局のアナウンサーを取材している。

 簡単に言うと仕事は相手の話を聞くことだが、これが結構難しい。記事の内容や見出しをイメージしながら質問を考え、また相手の答えも想定しながら「その先どう続けるか…」「どう聞いたら面白い話を引き出せるか…」などと思いめぐらせる。

 記者になって約15年。取材相手の話を聞きながら「もうちょっと詳しく知りたかったな」「見出しを付けるの難しいなぁ」と思うことも正直ある。だが先日、それがいかにこちらの勝手な要望なのかを思い知らされた。

 3月某日、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜・前7時)という番組に生出演した。番組内で本を紹介するコーナーがあり、そこで私が3月に取材した高須クリニック・高須克弥院長の「炎上上等」について話すというもの。かつて塾講師のアルバイトをしていたこともあり、人前でしゃべることに何の抵抗もなかったため、何も考えずに依頼を引き受けた。

 いざ収録当日。東京・浜松町の局に入ると突然緊張が襲ってきた。一応、打ち合わせをもとに私が話す部分が紙に印刷されて渡されたが、どうも落ち着かない。念のため、出演することは妻と息子以外の誰にも明かさずに来たが不安は収まらず、気が付けば目の前にマイクがあった。

 収録スタート。最初に「高須先生は年齢の割にエネルギッシュで…」と話したまではよかった。だが次に予定と若干違う質問が来てから頭が真っ白になった。アナウンサーの方がちょこちょこと「~ですよね?」と話を振ってきても「はい…」と答えるのがやっと。溺れる者は藁(わら)をもつかむが、その藁すら見えていない心境だった。頭の中に話のストックをいくつか用意していたはずだったが、機を逸したというよりただの緊張なのか…。結局は紙に書かれた答えを忠実になぞって出番を終えた。

 控室に戻りスマホを見ると妻からは「エネルギッシュさがない!笑」とのメッセージ。帰宅すると息子と笑い転げていた。自分でも録音を聞き返すと、妙にテンションの低い男(私)のぼやきのような声が聞こえてきた。番組スタッフからは「また低音キャラでお願いします!」とメールを頂いたが、果たして本のPRにはなったのだろうか。高須院長すみません。

 取材相手には面白い話を求めておきながら、自分が全くできなかったという苦い体験になってしまった。話す側も大変なのだと反省している。

 先日、フジテレビの三上真奈アナ(29)をインタビューした。その際「放送中、面白い返しができず『そうですね…』としか言えなかった時は、収録後に反省しています」との言葉が耳に残った。「もっと(頭の)瞬発力を鍛えないと!」と言っていた。これまでの私だったら額面通りに受け取ていたはず。だが今となっては大変共感できる。

 三上アナは4月より「ノンストップ!」(月~金曜・前9時50分)でMCを務めている。仕事中でゆっくりオンエアを楽しめる機会は少ないが、心の中で我がことのように応援している。(記者コラム・浦本 将樹)

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