仙女・佐藤「やられても立ち向かう姿」見せる

スポーツ報知
デビュー以来、傷だらけになりながらもガムシャラなファイトでファンの共感を呼ぶ佐藤(左)

 気仙沼市出身の新人 センダイガールズプロレスリング(仙女)の新人で、宮城・気仙沼市出身の佐藤亜海(あみ、19)が、東日本大震災から7年となる11日、仙女恒例の東京・新宿FACE大会「あの日を忘れない」(午後6時30分開始)に初めて出場する。佐藤は、仙女の里村明衣子(38)、愛海(13)とトリオを組み、アジャ・コング(47)、志田光(29)、桃野美桜(19)組と対戦する。

 「震災の後にプロレスが好きになったんですが、自分が3・11のリングに立つとは…」。7年前は小学6年生だった。気仙沼市で父親が営む理髪店は津波で流され、自宅も水に浸かった。「同級生にも、家族が亡くなったり、家が流された子がいた。これからどうなるんだろうという不安が大きかった」。しかし、地元で開催された男子プロレスのチャリティー大会を観戦し「自分も人を元気にしたい」との思いが募った。高校卒業後の昨春、仙女へ入門し、9月にデビュー。「気仙沼の友人も『応援してるよ』と言ってくれます」

 現在は、手工芸など創作活動を通じて患者の身体機能の回復を図る「作業療法士」を目指し、専門学校にも通っている。これも、震災後のボランティア体験がきっかけ。11日は他団体の大会との掛け持ちで1日2試合となるが「今まで助けてくださった人への感謝の気持ちを持って、アジャさんのような大きくて強い選手にやられても立ち向かう姿を見せたい」。がむしゃらに闘い、たくましくなった自分を証明する。(須貝 徹)

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