マサ斎藤さんの倫子夫人「明るい老後のプランを、他界するほんの3日前に話していました」

スポーツ報知
マサ斎藤さんの妻・倫子夫人

 今月14日にパーキンソン病のため75歳で亡くなったプロレスラー、マサ斎藤(本名・斎藤昌典)さんの告別式が22日、東京都港区の梅窓院でしめやかに営まれた。

 告別式には、坂口征二氏(76)、長州力(66)、キラーカン氏(71)、北沢幹之氏(76)、前田日明氏(59)、蝶野正洋(54)、佐々木健介(51)と北斗晶(51)夫妻、小島聡(47)、西村修氏(46)らが参列した。司会をフリーアナウンサーの徳光和夫さん(77)が務めた。

 喪主で妻の斎藤倫子さん(68)は、出棺前に参列者へ涙をこらえながら、以下の言葉であいさつを行った。

 「本日は猛暑の中、マサ斎藤の告別式にお集まりいただきまして心から御礼を申し上げます。

 プロレスファン、そして関係者の方々に愛され続け、再びリングに上がるために18年もの長い間、マサさんは必死に闘病してまいりましたが、14日未明、子供もいない私を独りぼっちにして旅だってしまいました。

 燃えるような恋をして、結ばれたマサさんとの夫婦生活。最初の数年は、楽しくハッピーで愛に満ちあふれたものでした。

 しかし、パーキンソンという実に酷な病に襲われてからは、一進一退。二人して崖っぷちからどん底に突き落とされ、はい上がり、ようやく淵にしがみつくとまた蹴落とされて、こんな繰り返しの生活が長く続き、二人の間にいつの間にか笑いが消えていきました。

 絶対に治す、治ると信じて、大きなマサさんを引っ張り続けた小さな私は、ついに心身共に壊れてしまいましたが、再び前だけ見る私に戻り、明るい老後のプランを話したのは、マサさんが他界するほんの3日前のことでした。

 みなさまもご存じのように、マサさんは大きな体でしたが、心は本当にピュアで子供がそのまま大人になったようなチャーミングで愛してやまない人でした。

 レスラーの方々からもとても慕われていて、いつも笑顔を絶やさずとてもステキな人でした。

 そんなマサさんは突然、帰らぬ人になりましたが、私の心の中では、ずっとずっとマサさんが生き続けます。どうかどうか、みなさまも心の中にも、とどめていただけると幸いです。

 みなさまに対する御礼として私の気持ちを言葉にするのは難しいです。誠に失礼ではございますが、これをもって、ごあいさつと代えさえていただきます。本日はありがとうございました。長い間、ありがとうございました。お世話になりました。ありがとうございました」

 倫子夫人は、戒名をつけずリングネームの「マサ斎藤」として最愛の夫を送り出した。闘病中も「リング」と聞くだけで、目の色が変わったマサさんのために祭壇でリングを再現し、棺で眠るマサさんに試合中に着用した靴下とリングシューズを履かせ、すべてプロレスラーとして妻として永遠の旅立ちを飾った。

 マサさんの出棺時は、追悼のテンカウントゴングが捧げられ、徳光さんが「マサ斎藤!」とラストコール。入場テーマ曲「ザ・ファイト」が流れるなか、坂口氏、前田氏、カン氏、北沢氏、長州、武藤、蝶野、佐々木、西村といったかつて新日本プロレスに所属したレジェンドらが棺を運びマサさんを見送った。

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