藤波辰爾が“落選”した「プロレス総選挙」と同じく異論が渦巻いた「高校野球総選挙」…金曜8時のプロレスコラム

スポーツ報知
ライガーにドラゴンスリーパーをかける藤波辰爾(右は三沢光晴、2005年5月14日東京ドーム)

 藤波辰爾(64)が師匠・アントニオ猪木(75)の挑戦を60分フルタイムドローで退け、IWGPヘビー級王座を防衛した新日本プロレス「スーパーマンデーナイトin横浜」(1988年8月8日・横浜文化体育館)から30年がたった。あの飛龍革命の成就から30周年である。昭和最後の夏から30年、平成最後の夏となった同日、同会場では新日本プロレス「G1クライマックス」で盛り上がった。

 30年前のノスタルジーに浸りたいと思っていたら、5日にテレビ朝日系で「ファン10万人がガチで投票! 高校野球総選挙」(後6時57分)が放送され、藤波がBEST20に入らなかった昨年3月12日放送の同局系「史上初!現役・OBレスラー200人&ファン1万人が選ぶプロレス総選挙」を蒸し返したくなった。

 テレビ朝日の総選挙企画は、プロレスから始まり、昨年7月31日放送の「力士・親方70人&ファン1万人がガチで投票!大相撲総選挙」、1月8日放送の「ファン1万人がガチで投票! プロ野球総選挙」と来て、高校野球で最大の盛り上がりを見せた。高校野球総選挙をおさらいしておくと…。

 ◆高校野球総選挙BEST30

 〈1〉松井秀喜(星稜)、〈2〉松坂大輔(横浜)、〈3〉江川卓(作新学院)、〈4〉清原和博(PL学園)、〈5〉田中将大(駒大苫小牧)、〈6〉大谷翔平(花巻東)、〈7〉王貞治(早実)、〈8〉桑田真澄(PL学園)、〈9〉清宮幸太郎(早実)、〈10〉ダルビッシュ有(東北)、〈11〉斎藤佑樹(早実)、〈12〉鈴木一朗(愛工大名電)、〈13〉太田幸司(三沢)、〈14〉原辰徳(東海大相模)、〈15〉坂東英二(徳島商)、〈16〉荒木大輔(早実)、〈17〉中村奨成(広陵)、〈18〉オコエ瑠偉(関東一)、〈19〉松井裕樹(桐光学園)、〈20〉藤浪晋太郎(大阪桐蔭)、〈21〉菊池雄星(花巻東)、〈22〉工藤公康(名古屋電気)、〈23〉尾崎行雄(浪商)、〈24〉中田翔(大阪桐蔭)、〈25〉香川伸行(浪商)、〈26〉定岡正二(鹿児島実)、〈27〉愛甲猛(横浜)、〈28〉安楽智大(済美)、〈29〉島袋洋奨(興南)、〈30〉水野雄仁(池田)

 ※校名は当時。

 ネットのコメントでは“松坂1位”支持の声が多く、イチローのランクインへの疑問などが渦巻いた。個人的に言わせてもらうと、我らがスポーツ報知評論家の金村義明さん(報徳学園、81年夏優勝投手)が圏外なのは、納得がいかない。プロ野球総選挙でも、同じくスポーツ報知評論家の“世界の盗塁王”福本豊さん(阪急)が番組にゲスト出演していながら、名前が呼ばれなかった“悲劇”があった。

 テレ朝総選挙のモヤモヤ感は、元祖の「プロレス総選挙」からの“お家芸”でもあった。振り返って見ると…。

 ◆プロレス総選挙BEST20(2017年3月12日放送)

 〈1〉アントニオ猪木、〈2〉ジャイアント馬場、〈3〉初代タイガーマスク、〈4〉オカダ・カズチカ、〈5〉力道山、〈6〉棚橋弘至、〈7〉ジャンボ鶴田、〈8〉獣神サンダー・ライガー、〈9〉三沢光晴、〈10〉スタン・ハンセン、〈11〉長州力、〈12〉武藤敬司、〈13〉小橋建太、〈14〉天龍源一郎、〈15〉ケニー・オメガ、〈16〉橋本真也、〈17〉蝶野正洋、〈18〉ハルク・ホーガン、〈19〉真壁刀義、〈20〉アンドレ・ザ・ジャイアント

 藤波はもちろん、スポーツ総合誌「ナンバー」(文藝春秋)の「プロレス総選挙」で昨年、今年と2連覇を達成した内藤哲也(36)も選から漏れている。大仁田厚(60)の圏外には当然と見る向きもあるが、プロレスの枠を超えて一世を風靡した邪道がという思いもある。元祖でもある「プロレス総選挙」の反省を生かし、第2弾の「大相撲総選挙」から入選者を10人増やし、ベスト30となっている。「プロ野球総選挙」では、投手と野手を20人ずつ選ぶベスト40になっていた。

 プロレスがパイオニア(実験台?)となり、総選挙は進化していったのだ。平均視聴率は「プロレス」が深夜帯で4・8%。「大相撲」から午後7時スタートになり、8・4%。「プロ野球」で12・7%と大台を超え、「高校野球」は、番組後半(後8時53分~11時5分)の平均視聴率が13・6%にはね上がった(数字はいずれも関東地区、ビデオリサーチ調べ)。

 さらに、7月16日にはTBS系で「FIFAワールドカップ 緊急総選挙! 日本人が選んだ歴代カッコいいサッカー選手ランキング」(午後9時から2時間)が放送されるなど、他局にも波及。世界各国オールタイムのベスト50で、本田圭佑(32)=パチューカ=が1位となり、異論が噴出という点まで、類似している。ということは、日本テレビ系で「プロレス総選挙」をやってもいいのではないか。ミル・マスカラス、テリー・ファンク、ブルーザー・ブロディはランクインすることだろう。水面下で働きかけていきたいと思う。(酒井 隆之)

 ◆プロ野球総選挙(テレビ朝日系1月8日放送)

 ▽野手部門BEST20

 〈1〉イチロー、〈2〉王貞治、〈3〉長嶋茂雄、〈4〉大谷翔平、〈5〉松井秀喜、〈6〉落合博満、〈7〉野村克也、〈8〉バース、〈9〉金本知憲、〈10〉内川聖一、〈11〉秋山翔吾、〈12〉稲葉篤紀、〈13〉掛布雅之、〈14〉菊池涼介、〈15〉クロマティ、〈16〉衣笠祥雄、〈17〉新庄剛志、〈18〉阿部慎之助、〈19〉古田敦也、〈20〉秋山幸二

 ▽投手部門BEST20

 〈1〉大谷翔平、〈2〉野茂英雄、〈3〉稲尾和久、〈4〉金田正一、〈5〉田中将大、〈6〉江川卓、〈7〉江夏豊、〈8〉ダルビッシュ有、〈9〉上原浩治、〈10〉桑田真澄、〈11〉黒田博樹、〈12〉佐々木主浩、〈13〉岩瀬仁紀、〈14〉工藤公康、〈15〉村田兆治、〈16〉岩隈久志、〈17〉斎藤雅樹、〈18〉伊藤智仁、〈19〉松坂大輔、〈20〉山本昌

 ◆大相撲総選挙BEST30(テレビ朝日系2017年7月31日放送)

 〈1〉千代の富士、〈2〉貴乃花、〈3〉大鵬、〈4〉白鵬、〈5〉北の湖、〈6〉稀勢の里、〈7〉朝青龍、〈8〉双葉山、〈9〉初代若乃花、〈10〉舞の海、〈11〉初代貴ノ花、〈12〉3代目若乃花、〈13〉輪島、〈14〉千代の山、〈15〉寺尾、〈16〉宇良、〈17〉栃錦、〈18〉曙、〈19〉高安、〈20〉小錦、〈21〉柏戸、〈22〉魁皇、〈23〉北の富士、〈24〉2代目若乃花、〈25〉日馬富士、〈26〉高見盛、〈27〉遠藤、〈28〉武蔵丸、〈29〉千代大海、〈30〉若島津

 ◆サッカー総選挙BEST50(TBS系7月16日放送)

 〈1〉本田圭佑、〈2〉C・ロナウド、〈3〉内田篤人、〈4〉ベッカム、〈5〉三浦知良、〈6〉宮本恒靖、〈7〉長谷部誠、〈8〉メッシ、〈9〉柴崎岳、〈10〉中田英寿、〈11〉ネイマール、〈12〉乾貴士、〈13〉川島永嗣、〈14〉マラドーナ、〈15〉長友佑都、〈16〉香川真司、〈17〉ハメス・ロドリゲス、〈18〉中山雅史、〈19〉西野朗、〈20〉大迫勇也、〈21〉稲本潤一、〈22〉カカ、〈23〉川口能活、〈24〉井原正巳、〈25〉中村俊輔、〈26〉イルハン、〈27〉松井大輔、〈28〉トッティ、〈29〉アン・ジョンファン、〈30〉バッジョ、〈31〉ジダン、〈32〉前園真聖、〈33〉遠藤保仁、〈34〉岡崎慎司、〈35〉イニエスタ、〈36〉槙野智章、〈37〉イブラヒモビッチ、〈38〉名波浩、〈39〉武藤嘉紀、〈40〉吉田麻也、〈41〉福西崇史、〈42〉オリバー・カーン、〈43〉武田修宏、〈44〉ペレ、〈45〉ラモス瑠偉、〈46〉モドリッチ、〈47〉中田浩二、〈48〉フェルナンド・トーレス、〈49〉福田正博、〈50〉鈴木隆行

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