メイウェザー、大みそか日本で異種格闘技…那須川天心とＲＩＺＩＮ数十億円マッチ

　プロボクシング元世界５階級王者フロイド・メイウェザー（４１）＝米国＝が５日、東京・港区の六本木ヒルズで会見し、１２月３１日にさいたまスーパーアリーナで行われる格闘技イベント「ＲＩＺＩＮ．１４」に参戦することを発表した。キックボクシング界の“神童”と呼ばれる格闘家の那須川天心（２０）＝ＴＡＲＧＥＴ＝と対戦。「平成最後の異種格闘技戦」として、大みそかに無敗対決で火花を散らす。

　あのメイウェザーが日本のリングに上がる。過去５０戦は全て米国開催。約１５０人の報道陣らの前でマイクを握り「高揚感を持ってここに座っている。これはスタート。今後は他の選手を連れて来て、参戦するきっかけをつくり、私自身も参戦したい」と中長期的なビジネスプランを明かした。

　スピードと超人的な反応速度、左ガードを下げて左肩で攻撃をブロックする「Ｌ字ガード」など、唯一無二の防御技術で憎らしいほどの強さを誇り、史上初の無敗のまま５階級制覇を達成した。１試合のファイトマネーは１００億円を超え「世界で最も稼ぐスポーツ選手」とされる。６月に米誌フォーブスが発表した「スポーツ選手億万長者番付」では、年収約３１３億円で１位に輝いた。

　２０１５年５月には、世界６階級王者マニー・パッキャオ（フィリピン）との「世紀の対決」で３団体統一に成功。昨年８月の復帰戦で総合格闘技の選手に１０回ＴＫＯ勝ちして以来、１年４か月ぶりの試合だ。

　ＲＩＺＩＮの榊原信行実行委員長はファイトマネーについて「過去最高。普段１００万円もらう人が、１万円で試合はしない。１０万円でニコニコしますか？　そんな中途半端なお金で成立しない」。会見中に機嫌良く笑顔だったメイウェザー。榊原氏の言葉から、今回は数十億円に上るとみられる。同氏は９９年から０７年まで開催した総合格闘技イベント「ＰＲＩＤＥ」を米総合格闘技団体「ＵＦＣ」に売却。「そのお金が少し残っている。それでメイウェザーを買った」とした。

　相手はキックボクシングと総合格闘技で無敗の那須川だ。「世界中、誰も成し遂げられなかったことをして、拳一つで世界を変えられることを証明したい」と、数々の猛者が倒せなかった相手に勝利宣言。同席した会見で「オーラをすごい感じた。でも、パンチは当たりそう」と話すと、相手は手を叩いて笑った。「なめられているのは分かっている。本気で勝ちに行きたい」と闘志を燃やした。

　日本の異種格闘技戦といえば１９７６年の「アリＶＳ猪木」や９７年の「高田延彦ＶＳヒクソン・グレイシー」などがある。榊原氏は３万人収容の大舞台を「平成最後の異種格闘技戦」と銘打った。約１０キロの体重差、試合のルールは今後、協議予定。フジテレビで生放送され、世界配信もされる。誰よりも金色が似合う男は「スキル対スキルの戦い。経験では私に分がある。真剣勝負だよ」と言い切った。夢の対決で平成を締める。

　◆ＲＩＺＩＮ　国内最高峰の立ち技、総合格闘技の興行。興行名の由来は日本発として「ライジング・サン」や「雷神」。「ＰＲＩＤＥ」（９７～０７年）を運営していた榊原信行氏が創設。２０１５年１２月２９～３１日に旗揚げされ、今年の大みそかで１４回目の興行を開催予定。エメリヤーエンコ・ヒョードルや元大相撲力士の大砂嵐、女子のＲＥＮＡなど多数の大物が参戦。