日本人が手を焼いてきた「異種格闘技戦」メイウェザーがRIZIN参戦

スポーツ報知
76年6月、アリ(左)と猪木の15回戦は引き分けに終わる

 プロボクシング元世界5階級王者フロイド・メイウェザー(41)=米国=が5日、東京・港区の六本木ヒルズで会見し、12月31日にさいたまスーパーアリーナで行われる格闘技イベント「RIZIN.14」に参戦することを発表した。キックボクシング界の“神童”と呼ばれる格闘家の那須川天心(20)=TARGET=と対戦。「平成最後の異種格闘技戦」として、大みそかに無敗対決で火花を散らす。

 出身格闘技の異なる選手同士の対決は「異種格闘技戦」といわれ、文字通り出身格闘技の「看板」と自分の「名誉」を背負って戦う。過去には海外大物選手に多くの日本人格闘家が手を焼いてきたのも事実だ。リングに引っ張り出すまでに莫大な金と時間、そして労力をかけて実現させた揚げ句の果てに、勝ち逃げされた苦い過去がある。

 76年6月のプロレスラー・アントニオ猪木と、ボクシング世界ヘビー級王者ムハマド・アリの「世紀の一戦」は何度も交渉を重ねて実現。アリ側が法外に近い600万ドル(当時約18億円)以上を獲得し、ルールでも猪木側に「片肘もしくは片膝をついた状態のみ攻撃が可能」という不利な条件に。結局、試合はかみ合わずに引き分けとなり「世紀の凡戦」と酷評された。

 猪木の門下生だった高田延彦(97年10月)と前田日明(99年2月)も挑戦した。ともに数十億円をかけて実現させた揚げ句、相手の土俵で戦い完敗した。プロレス界を代表した高田は「400戦無敗」の柔術家ヒクソン・グレイシー(ブラジル)に何もできずに関節技で惨敗。「プロレスが死んだ日」とたたかれ、後のプロレス界を衰退させた戦犯の扱いに。

 99年に引退試合を行った前田は、13年間無敗のレスリング五輪王者で「霊長類最強」といわれたアレクサンドル・カレリン(ロシア)とレスリングルールで判定負け。好勝負を演じ高評価を残した。

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