棚橋弘至、オメガ下しIWGPヘビー奪還「初めてベルトを巻いたような感覚です」

2019年1月5日7時5分  スポーツ報知
  • ケニー・オメガに渾身の張り手を入れる棚橋弘至(カメラ・中島 傑)

 ◆新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM13 in 東京ドーム大会 ▽ダブルメインイベント2・IWGPヘビー級選手権試合60分1本勝負 〇棚橋弘至(39分13秒 ハイフライフロー→片エビ固め)ケニー・オメガ●(4日、東京ドーム、観衆3万8162人)

 太陽の天才児」が東京ドームのど真ん中に帰ってきた。挑戦者の棚橋弘至(42)が王者・ケニー・オメガ(36)を下し、4年ぶり8度目のIWGP王者の座についた。

 昨年10月の対戦発表会見での棚橋の「ケニーのプロレスには品がない」という発言で火がついた“イデオロギー闘争”。この日のリング上でも会見で「おまえは賞味期限切れ」と言い返したオメガがリング下から机を持ち出しながら、流暢な日本語で「品がな~い、品がな~い」と歌って挑発。棚橋はその机に目をやりながらも、ケニーの体をそこに叩きつけるのは自重するなど、互いのプロレス観を見せつけ合う場面があった。

 しかし、新日一、二を争う実力者同士の大一番は最高峰の戦いとなった。オメガが棚橋の必殺技・スリングブレイド、ハイフライフローを放つ“掟破り”の攻撃を見せれば、棚橋もドラゴンスクリューにハイフライフローの連発で対抗。最後はオメガの必殺技・片翼の天使をかわしてのスリングブレイドからのハイフライフローで最強外国人の息の根を止めて見せた。

 東京ドームを埋めたプ女子(プロレスファンの女性)の涙声での「タナ~」の声援を浴びて、マイクを持った棚橋は「今日はたくさんのご来場、本当にありがとうございました」と、まず満場の観客に頭を下げた。

 続けて「正直言うと、もう、この舞台には帰ってこれないかと思ってました。でも、柴田(勝頼)選手、本間(朋晃)選手ら多くの仲間がエネルギーをくれました。そして、何より僕をここまで押し上げてくれたファンの皆さん、ありがとうございました~」と右手を掲げると、「また、このIWGPのベルトと新しい風景をつくっていきます」と宣言した。

 あまりの死闘に「ごめん。今日は(ビッグマッチでの勝利後恒例の)エアギターやる力が残ってないわ~。

あ~、厳しいなあ」と言いながらも、あまりの声援に「じゃあ、1回だけ。ド~ム~、盛り上がって行こうぜ!」と、エアギターをかき鳴らすと、東京ドームに大歓声がこだました。

 「ずーっと、このベルトを大事にしてきたから。(次の試合まで)エアギターはその時までとっておこうぜ。じゃー、最後に会場の皆さん、愛してま~す!」と、いつもの決めゼリフでリングを後にした。

 約80人の記者が待ち受けた会見場でも棚橋節は全開。右肩にベルトをかついで大きく息をつくと、「ああ…。何回も巻いてきたベルトなんですけど、初めてベルトを巻いたような感覚です」と正直にポツリ。

 「リング上でも言いましたけど、自分1人では戻ってこれなかったなと思いますね。他のレスラーからいい刺激を受けたり、頑張って欲しいという祈りに誓いというか、みんなの声援が背中を押してくれました。本当に(昨年8月の)G1クライマックスに優勝できたのも、セコンドから柴田選手がエールを送ってくれたから。感謝しています」と感謝の言葉を続けた。

 オメガとの論争にも一区切りついた形だが、「ケニーに対する怒りっていうのは、最初から抱いていたものではなくてね。ケニーが新日を侵攻していく中で大事なものが壊されていくんじゃないかと、長岡で負けて、ドームで勝って1勝1敗なんで。次はさあ、どこでやりますかという感じです。まだ、納得いくまでやれてないんで、ケニー、次はいつやるんだという感じです」と再戦を希望した。

 3年ぶりの東京Dメインに「(満員のスタンドは)本当に壮観でした。それをメインイベントで見れる。俺は本当にタイミングいいなと思います」とポツリ。

 4年ぶりの戴冠にも「もう1回、ゼロから一から積み上げていきます。そういう気分です」と謙虚に話したところで、この日、オカダ・カズチカに圧勝したジェイ・ホワイト(26)が拍手しながら乱入してきた。

 「ザッツ・オール、サンキュー。最後のチャンピオンを楽しめよ、棚橋。次は俺だ」と対戦要求したジェイが去った後、「ジェイは全然、おまえなんかより俺が優れている。新しい時代なんだって言ってましたね」と通訳までこなした棚橋。

 昨年の東京D大会より約3000人増えた観客動員については「本当に選手の頑張りとマスコミの皆さんのおかげ。みんなの力で3万8000達成できました」と笑顔。今年でレスラー生活20周年の「100年に1人の逸材」は「あっという間でしたけど、こうしてベルトを持って、いいスタートが切れたし、じっくり腰を据えて、新日本プロレスを前に進めていきます」と、エースの表情を見せて言い切った。(中村 健吾)

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