TPG、UWF、nWoがマサ斎藤さんの名の下に共闘…金曜8時のプロレスコラム

2019年2月15日8時0分  スポーツ報知
  • 波乱のTPG旗揚げを報じる1987年12月28日付報知新聞

 平成最後の2・15は東西で“レジェンドの祭典”が行われる。東京・後楽園ホールでは、武藤敬司(56)が主宰する「PRO‐WRESTLING MASTERS」に長州力(67)、藤波辰爾(65)らが出場し、大阪では城東KADO―YAがもよんホールで、昨年7月14日に75歳で亡くなったマサ斎藤(本名・斎藤昌典)さんの追悼大会「MASA SAITO MEMORIAL~GO FOR BROKE!FOREVER!~《闘将・マサ斎藤追悼試合》」が開催される。

 “昭和のプロレス者”としては、どっちも行きたいが、ともに夜興行。迷った末に、大阪を選ぶことにした。東京のマスターズは前田日明氏(60)がセコンドで登場するなど話題満載ですでにチケットが完売の人気。一方の大阪は情報量が少なく未知数のイベントだ。新日本プロレス元取締役の“駅長”こと上井文彦氏(64)が、マサさんの斎藤倫子夫人とともに作り上げるワン&オンリー(唯一無二)のエピタフ(墓碑銘)となりそうだ。

 「東西の興行戦争だなんてとんでもない。フルハウスのマスターズとは比べものになりませんよ」と上井駅長は「当日券あり」を強調するが、プログラムを聞いてみると、興味深いマニアックなものが並んでいる。

 まずは、新TPGと新ベイダーの降臨だ。1987年12月27日の新日本プロレス両国国技館大会でビートたけしが結成した「たけしプロレス軍団(TPG)」が、新日本に送り込んだ刺客として日本に初登場したビッグバン・ベイダー。その参謀役がマサ斎藤さんだった。ベイダーことレオン・ホワイトさんは、マサさんと同時期の昨年6月18日に63歳で亡くなっており、この企画は相棒だった2人への鎮魂歌と言える。

 “謎の皇帝戦士”ミステリアス・ベイダーを連れてくるのは、TPGの練習生だったモンキーマジック・ワキタ。後にスペル・デルフィンになった男(脇田洋人・現和泉市議)が、27年ぶりに孫悟空にあやかった初期のリングネームで登場する。“大人の事情”から今回のTPGは、「天空プロレス軍団」で、皇帝戦士は「ビッグマン・ベイダー」となるが、昭和のファンは、正統継承者として認めるだろう。

 対戦相手は、「新根室プロレス」のアンドレザ・ジャイアントパンダ。身長3メートル、体重500キロの“巨大熊猫”が相手だけに、ビッグマン・ベイダーのサイズに期待できそうだ。32年前にベイダーが初見参した時の両国大暴動のような空気も期待してみよう。立会人はどういうわけか初代タイガーマスク(佐山サトル)が務める。上井氏と佐山は、旧UWF時代の同志でもある。佐山の弟子のスーパータイガーがメインイベントで3代目タイガーマスクだった金本浩二(52)とタッグを組んで、田中稔(46)、スペル・デルフィン(51)組と対戦する。

 試合はしないが、新生UWF、UWFインターナショナル、リングス、PRIDEで活躍したU-FILE CAMP代表の田村潔司(49)も来場し、ファンサービスを行う。マサさんが大暴れした米国からは、元WCW代表のエリック・ビショフ氏(63)と元nWoマネジャーのサニー・オノオ氏(56)が来日する。ビショフ氏は、1990年代にWCW副社長を務め、世界的ブームを起こしたnWo(ニュー・ワールド・オーダー)を仕掛けた。

 ビショフ氏は、マサさんが80年代にAWAで活躍していた当時からのファンで新日本とWCWが提携していた時代にはビジネスパートナーとして日米でプロレスを活性化させた。WWEに吸収される形で消滅したWCWという響きも懐かしい。今大会では幻のWCW世界ヘビー級ベルトも展示されるという。悪役になった“ハリウッド”ハルク・ホーガンが、WCWのベルトにスプレーで「nWo」と落書きするシーンが懐かしい。

 プロレスというジャンルを超えてムーブメントを起こしたUWFとnWoが同居するイベントなんて前代未聞だ。さらに異物だったTPGまで“海賊亡霊”のように甦(よみがえ)らせるとは…。あらゆる団体を超越して日米をまたにかけたマサ斎藤さん。そして、それをまとめて到着させる上井ステーションのプロレス愛を見届けたい。(酒井 隆之)

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