オフにつけまい 女子レーサー密着 西舘果里 趣味の登山で汗を流し現在・過去・未来語った

スポーツ報知
山頂の展望台で両手を広げる西舘

 西舘果里(31)=東京支部、113期=は登山が趣味だ。減量目的で始めたのがきっかけ。今では時間があれば山に向かう。標高800メートルから1000メートルの山をメインにしている。今回は都心から、手軽に行ける高尾山(東京・八王子市、標高599メートル)に登った。

 (1)頂上を目指して、京王線・高尾山口駅前から出発だ。「高尾山は3年ほど前に紅葉の時期に来ました。2回目です」。西舘が歩きながら話し出した。

 【山歩きトーク1】 登山をするようになったのはボートレーサーになってから。「ダイエットのためです。身長163センチの私は減量との闘いですから」。最初の登山は5年前の秋、奈良の三輪山(標高467メートル)だ。「たまたま関西に行った時に、完全な思いつきで登りました」

 (2)ミーン、ミーン。せみ時雨の中を歩く。

 【山歩きトーク2】 神社やお寺巡りも好きで、登山と参拝をダブルで楽しむ。6月には京都の男山(143メートル)を登り石清水八幡宮にも行った。「仕事運がアップする神社なんです」。月に2回は登山する。愛知の継鹿尾山(つがおさん、273メートル)、埼玉の霧藻ヶ峰(きりもがみね、1523メートル)など。この夏には富士山にも登った。「レースで疲れると、大自然に触れたくなるんです。パワーをもらうって感じですね」

 (3)高尾山薬王院に到着。ご朱印をもらう。

 【山歩きトーク3】 西舘は元ソフトボール選手だ。「中学から始めました。背が140センチで小柄だったので当時の監督から左打ちを勧められました」。右投げ左打ちの外野手。神奈川の厚木商高では高校総体3位。卒業後、日本代表の元主砲・宇津木麗華監督(現日本代表監督)に誘われ群馬県のルネサス高崎入り。08年の北京五輪の金メダリストで現在も日本のエースの上野由岐子投手もいた。クリーンアップだった。「夜は寮で2~3時間、素振りしてました。手はマメだらけでした」

 (4)599メートル、頂上に到着。展望台から景色を満喫する。「登山は達成感ありますね」

 【山歩きトーク4】 努力が報われた一打がある。08年11月の日本リーグ決勝トーナメント、豊田自動織機との決勝戦。5回表1―0の2死満塁、相手投手は左腕のミッシェル・スミス(米国が96年、00年に五輪を連覇した時のエース)だ。「前を打つ4番打者が敬遠されたんです。打ったのは外よりのライズ。手応えはそんなに伸びる感覚じゃなかったんですが…」。勝利を決定づける走者一掃の左翼越え二塁打となった。「その一打で投手交代。スミスはそのシーズンで現役引退したので、私が最後の打者なんですよ」

 (5)樹齢450年の巨大杉があった。根がタコの足のようで「たこ杉」と呼ばれている。

 【山歩きトーク5】 周りにボートレースファンがいた。「同僚がボートレースの話をしていて。興味を持ちました。ソフトを引退した後、どうしようかなって考えたときに、机に向かう仕事は私は無理だと思ったので、ボートレーサーいいなーと思ったんです」。戸田でレースも見学した。「元々エンジンの音が好きで、F1も見てました。セナ、シューマッハのファンでした。実際にボートのエンジン音を聞いたら、コレだって感じました」。12年秋、やまと学校(現ボートレーサー養成所)に入学した。

 (6)途中にあったお店でソフトクリームを食べる。「甘い物も好きですが、レースが近づくと控えてます」

 【山歩きトーク6】 ボートレーサーになって5年目だ。B2級から抜けきれない。「このままじゃイヤ、いつかやってやるって気持ちはあります。ダメでも頑張る忍耐力はあると思ってます。ルネサス高崎でもスタメンで出るようになるまでに約5年かかりました。自分は遅咲きだと信じてます」。最近、舟券にからむ機会が増えた。3着以内の回数は昨年は8回(出走95回)だったが、今年はすでに18回(同66回)ある。「後悔しないように全力で頑張ります」。31歳。まだまだこれから。西舘は頂上を目指し戦う。

 西舘果里(にしだてみさと)アラカルト

 ▼生まれ、サイズ 1986年11月27日、神奈川・大和市生まれ。31歳。163センチ。血液型B。

 ▼成績 113期として13年11月平和島でデビュー。初1着は14年10月多摩川一般戦。

 ▼銭湯好き 近所の銭湯によく行く。「スーパー銭湯ではなく普通の銭湯です。おばちゃんとかおばあさんと湯船につかって、話すのが楽しいです。『孫が来て疲れた』とか、『若い頃はもっと痩せていたのよ』とか。たまに、のぼせたりしますが…」

 ▼登山以外の趣味 一人旅も好き。「インドにも一人で行きました。ガンジス川に足だけ入ってきました」。

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