ボートレース芦屋【開設65周年記念】G1全日本王座決定戦 羽野直也が快進撃

2017年12月5日7時0分  スポーツ報知
  • 羽野直也

 【最優秀新人有力】 芦屋で育った期待の星が、GIタイトルホルダーとなって芦屋周年初参戦。羽野直也は10月の大村周年で22歳、デビューわずか3年6か月でGI初優勝を果たした。芦屋の準スター候補だった昨年は年間249走中、132走が芦屋。過半数の時間を過ごし、走りまくって腕を磨いた。トップルーキーに昇格した今年は舞台を全国に移し、さらに進化を遂げている。勝率7・11、優勝4回、獲得賞金約3700万円で最優秀新人最右翼。今、最も注目を集める若手レーサーがホームプールでどんな走りを見せるのか。期待高まる6日間になる。

◇成長促すハート

 強さの源を探れば、旋回力とS力に行き着く。そして何より、熱いハートが成長を支えた。同期の存在に刺激を受け、長足の進歩を遂げてきた。

 まず磨いたのは旋回力だった。デビューからスピードを磨き、接戦を制す走りを身につけた。「Sは入っていればいい。乗りやすささえあれば、ターンで補える。今よりも昔の方が変な自信を持っていました」。15年11月には、同期でトップを切って村松修二が初優勝。そのときのアプローチも興味深い。「同期が優勝したから、僕も燃えるじゃないですか。でも、追いつくんじゃなくて自分の持っているもので追い越そう。そう思ってさらにターンに集中出来た。その時点での結果は向こうが上でも、自分は負けていない。積み上げてきた自信があったので、そう思っていました」。その思いを現実にしたのが今の活躍だ。

◇同期の存在力に

 ただ、そこから一直線に今に至る訳ではない。壁にぶつかり、それを乗り越えるという通常の成長サイクルはもちろん、それ以外にも大きなターニングポイントがあった。今年2月、同期の西野雄貴がレース中の事故で大けがをしてしまう。選手生命すら危ぶまれる状態で、復帰までには7か月半を要した。走ることが当たり前だと思っていたが、それが強く揺さぶられる出来事。またそこで、同期の強い気持ちを知ることにもなる。「僕はみんなで上がって行けたらいいと思っていた。でも、西野は違った。同期に活躍してほしいけど、今期は絶対一番になるって決めて走っていた。それを聞いた時にスイッチがバーンと入りました」

 同期の思いを形にしたい。自然とレースを見直すことになった。「ちょうど西野がすごい成長していた時期だった。西野の何がすごいかというと、Sのダッシュ力。旋回や調整力がSGでも通用するかといったら、そうじゃないかもしれない。でも、Sのダッシュ力なら多分、どこでも通用する」。Sに対する意識改革のきっかけとなった。「それまではお互い違う部分を伸ばし合っていたけど、けがをした西野の分も、やっていたことは間違っていないぞって証明したかった」

 強く意識してSを磨くと、その重要性に気づかされる。そしてさらに意識を高める。そんな好循環につながった。5月の芦屋ゴールデンウィーク開催では結果にもつながる。「みんないいエンジンであのメンバー。この優勝が一番自信になりました」。瓜生正義、前田将太、江夏満らを破っての優勝。自信を付け、G1レースへの出場が始まる。

◇大村周年会心V

 10月の大村は周年出場3節目。がむしゃらに挑んだ最初の2節は空回りに終わり、先輩のアドバイスも受け、普段通りを心がけた。レースが始まると、エース機を手にして快進撃を見せる。ただ、周囲が騒がしくなっても本人は冷静だった。「まだ勉強段階だったんで、素直にレース出来た。ミスをなくす。いつもの調整をする。Sをバチッと行く。頭の中はその3つの課題だけ。クリーンすぎてそれが逆によかったのかもしれません」。そして最後は、取り組んできた課題が最高の形で実を結ぶ。「優勝戦はSが一番大きい。質もタイミングもあれが一番です」。会心のSを決めて、パワーを生かし切っての優勝だった。

 迎える芦屋周年。意気込みはシンプルな目標に込められた。「Sを行きます。大村の時みたいにガンガン行きます」。若きさばき巧者から、勝負強い切れ者へ。Sという武器を加えて進化した、新しい羽野直也を地元ファンにアピールする。

周年記念G1
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