【巨人】松井秀喜氏、宮崎キャンプで臨時コーチ 若手底上げへ魂伝える

スポーツ報知
16年の春季キャンプで、小林(手前)らを集め打撃講習を開いた松井臨時コーチ(後方は高橋監督)

 巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(43)=ヤンキースGM付特別アドバイザー=が、2月の巨人宮崎キャンプで2年ぶりに臨時コーチを務めることが12日、決まった。滞在は7日間で、10日に現地で行われるホークスとのOB戦に選手として出場予定。ルーキーの即戦力野手、岸田、大城、北村らは対面と打撃の生観戦を熱望した。課題の若手台頭へ、日米通算507本塁打の「ゴジラの教え」に大きな期待がかかる。

 希望を胸にバットを振るルーキーたちに、うれしい知らせが飛び込んだ。G球場での新人合同自主トレ3日目。練習中に、松井秀喜氏の宮崎キャンプ臨時コーチ就任が決定した。今年はドラフト指名8選手のうち、投手は1位の即戦力右腕・鍬原だけ。野手の上位3選手が“ゴジラ魂”吸収に意欲を見せた。

 2位・岸田「松井さんの打撃を見てみたいです」

 3位・大城「松井さんの巨人時代の試合、本塁打をテレビでよく見ていました。お会いしたいですし、打つ姿を見てみたいです」

 4位・北村(星稜高で松井氏の後輩)「星稜高校、巨人に入っていなければこのような機会はないですし、貪欲にいろいろ聞きたいです」

 松井氏は12年末に現役引退後、14年から3年連続で巨人キャンプを訪問。ヤ軍で同僚だったD・ジーター氏らの例を出すなどして、的確な助言を送ってきた。「メジャーでも、いい打者には共通点がある。足を上げて打ちにいっても、頭が動かない。その場で回転する」という指導は、坂本勇や阿部が打撃を見つめ直すきっかけにもなった。昨季、52本塁打したヤ軍の大砲、A・ジャッジをマイナー時代に指導した育成法の伝授が期待される。

 これまでフリー打撃の実演はあったが、今年の松井氏は、ホークスとのOB戦に巨人OBチームの一員として出場する。あの豪快な打撃を実戦形式で見られる。昨季のチーム本塁打は優勝した広島より39本少ない113本。5月には13試合連続本塁打なしという2リーグ制(50年)後の球団ワースト記録もあった。攻撃力アップが課題なだけに、最高のお手本となるだろう。

 松井氏の滞在は2月6~12日。那覇2次キャンプ(15~28日)のメンバー入りに向け大事な時期だ。松井氏と同じ右投左打で強打の大型捕手・大城は那覇出身。「1軍の高いレベルでできるようにやっていきたいです」とゴジラの教えを実践し、東海大相模高進学前の中学まで過ごした故郷凱旋を目指す。

 新人はこの日、初めてマシン打撃を行い即戦力野手がそろって快音を響かせた。11年ぶりBクラスからの巻き返しへ、ゴジラ魂が若手飛躍の力になりそうだ。(片岡 優帆)

 ◆松井氏の宮崎キャンプ訪問

 ▼14年 初めて臨時コーチとして訪問。大田泰示外野手(現日本ハム)に「Aロッドの体の使い方を参考にしてみては」と助言し、ティー打撃中には「腰で!」と熱血指導。広いサンマリンスタジアムでフリー打撃を実演し、22スイングでサク越え5発。

 ▼15年 臨時コーチの形を取らずOBとして訪問。新たな肩書がついた高橋由伸選手兼任コーチの指導姿に「ストップウォッチを持つ姿がサマになっている」。

 ▼16年 2年ぶりに臨時コーチとして参加。Aロッドら世界トップクラスの打者の名前を挙げ、軸足に重心を乗せるフォーム伝授。

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