【長嶋茂雄 勝つ勝つ勝~つ】長嶋さん、ひらめいた「山口俊にかけてみたい」

2018年2月12日6時0分  スポーツ報知
  • キャンプを視察に訪れた長嶋茂雄終身名誉監督(中央)は1軍選手を集めて「勝つ!勝つ!勝~つ!」でナインを鼓舞した(左端は松井臨時コーチ、左手前は老川オーナー、右は高橋監督=カメラ・竜田 卓)
  • 投球練習を終えた山口俊(右)の右肩に触れた長嶋氏

 巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(81)=報知新聞社客員=が11日、巨人の宮崎キャンプを視察した。1、2軍の選手とともに「勝つ」を連呼しチームに活気を注入しつつ選手の動きをチェック。昨季、4位に終わったチーム浮上のキーマンに移籍2年目の山口俊投手(30)を指名した。ミスター効果もあってか、この日は2010年以降の巨人キャンプ最多となる3万8500人のファンが詰めかけた。

 今年のキャンプで会って話したい選手が一人いた。山口俊である。昨季終了後、その動向がメディアで大きく取り上げられることはほとんどなかったが、ずっと気になっていた。

 昨季14勝をマークしたマイコラスの穴を埋め、菅野、田口に次ぐ先発3番手を担えるのはだれか考えはじめたのがきっかけだった。伸びしろの大きい畠、昨季、西武で2ケタ勝った野上など何人かの名前が浮かんだが、「これだ」とひらめいたのが山口俊だった。

 ブルペンでピッチングをじっくり見た。やはりいい投手だった。6、7割の力でいろいろ試しながら投げている印象だった。元々、タマにすごく力があったが、球種の豊富さと制球のよさも目立った。右打者の外角低めへのカットボール、内角へツーシームを丁寧に投げ分けた。内角のカット、外角のツーシームなど逆も試しているようにもみえた。

 投球練習が始まる前、山口俊をブルペンの裏へ訪ねて初めて言葉を交わした。「ジャイアンツはしばらく優勝をしていない。非常に厳しい状況にある。だからこそ今年はいい成績を残したい。そのためには君の本来の力が必要だ。頼む」。期待を言葉にしたというよりお願いに近い話になった。

 山口俊からは体重がベストに近い102、3キロに絞り込まれていること、そして今年は肩、肘の故障など、体調に不安を感じることがまったくないことなどを聞いた。話ぶりから本人も手応えを感じているように思えた。

 昨季、けがや自身の不祥事などが重なり、わずか1勝にとどまったが、実力通り2ケタ前後の勝ち星をあげればチームにとっては大きなプラス材料になる。いや、仮に7、8勝にとどまったとしても1年間、離脱なしにローテーションを回してくれるだけでもチームを優勝を争えるポジションへ引き上げてくれるだろう。

 山口俊の大きな武器は、投球数が100を超えても球威が落ちない無尽蔵のスタミナにある。完投能力なら菅野に匹敵する存在である。

 先発投手として規定投球回を大きく上回るイニングを消化してくれれば、ブルペンの負担を軽減させられる。それはリリーフ陣の質を維持し、防御率の低減につながるだろう。

 私はこれまで球界で自ら犯した失敗をきっかけに、自らをそれまで以上に厳しく律することでキャリア最高に近い成績を残した選手を何人か知っている。だからこそ、今年は山口俊の飛躍にかけてみたい。(報知新聞社客員)

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