【巨人】重信、阿部から“ぴの化”テク伝授…左方向ゴロで内野安打増やす

スポーツ報知
重信(右)にアドバイスをする阿部

 巨人の重信慎之介外野手(24)が5日、阿部慎之助内野手(38)から“リアル・ぴの”になるためのテクニックを伝授された。チームNO1の俊足を生かすために、バットを体の内側から出して球をとらえ、二塁ベースよりも左側へ打球を転がす練習を反復。これをマスターすれば内野安打は激増するはずで、「打球を転がせばセーフ」とまで言われる俊足の野球ゲームキャラクター「ぴの」に限りなく近づく。

 G球場の室内練習場に大きな声がこだまする。「ホームランを打つわけじゃないんだから、そんなに力を入れてバットを振る必要はないんだぞ!」「そっちに打ったらノーチャンスだろ!」「よーし! うまい!」―。マシン相手に黙々とバットを振り込む重信の背後では、防球ネット越しに阿部が仁王立ちしていた。

 球界トップクラスの俊足を生かすための特訓だ。体の内側から最短距離でバットを出すイメージで、重信は反対方向へと打球を飛ばし続けた。「おまえの足があっても、セカンドゴロじゃアウトになる。ぴのだってフライはアウトだろ?」。野球ゲーム「ファミスタ」の俊足キャラクター「ぴの」を引き合いに、そう説かれた。「転がせばセーフ」という反則級の快足があろうが、打球次第では威力を発揮しない。ぴのがぴのである理由は、重信にとっても大きなヒントだろう。

 前日(4日)、重信は阿部にうまくタイミングを取るためのコツを聞きに行った。全く無駄がない柔らかなフォームから、なぜあれほど強烈な打球が放たれるのか。返ってきた答えは、意外すぎるほどシンプルだった。「難しく考えすぎ。投手のトップに合わせて、こっちもトップを作るだけだよ」。目からウロコだった。オープン戦は3戦4打数無安打。何とか突破口をこじ開けようと必死な姿に、背番号10も連日、応えてくれた。

 現状では陽と長野と右翼を争い、中堅は若手のチャンス枠になっている。重信のライバルである立岡は4日のヤクルト戦で三塁打2本とアピールした。それでも「誰が打った、打たないじゃなく、自分が結果を残せばいいだけ。思い切りやっていきたい」と頼もしい。11年盗塁王の藤村大介氏(昨年引退)も俊足を武器に「ぴの」と呼ばれたが、2代目も互角以上の力を秘めている。(尾形 圭亮)

 ◆ぴの 人気野球ゲーム「ファミスタ」に登場するキャラクター。打席から一塁到達までが約2秒という俊足を誇り、打球を転がしさえすれば、ほぼ100%出塁できるほどの能力を持つ。現実の世界では、イチロー外野手がマリナーズデビュー時の01年に3.7秒と言われていた。

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