【巨人】坂本工宜、準硬式野球と出会い自分が何をすべきか考えるようになった

スポーツ報知
巨人・坂本工は関学大の準硬式で頭角を現し、プロ入りのきっかけをつかんだ

 高校野球は現在、各地で春季大会が真っ盛り。3年生は必死に白球を追いかけると同時に、卒業後の進路も考え始める時期です。「大学でも野球を続けたいけど、バイトや勉強も頑張りたい」なんて思っているキミ。準硬式野球はいかがですか? 今週は意外と知られていない大学準硬式野球の世界に迫ります。

 投手への強い思いがきっかけだった。巨人の育成・坂本工宜投手(23)は、兵庫・関西学院高では外野手としてプレーしていたが、公式戦出場なし。関学大に進学する際、硬式野球部は投手経験者しか投手ができないという方針だった。先輩の誘いもあり、準硬式野球部の門を叩いた。

 「準硬式は自主性を重んじています。自分が何をすべきかというのを考えるようになりました」。投手リーダー、野手リーダーといった学生幹部が練習メニューを作成。チームプレー以外は個人練習の時間となる。2年時に念願の投手に転向すると、先輩にアドバイスをもらい、投球時の体の動き方などを一から勉強。球速は2年で13キロもアップした。

 日常生活も正した。親に栄養管理をお願いして、お菓子、ジュース、アルコールも控えたことがNPB入りにもつながった。「プロでも、自分で考えていろいろなことを見極めることが必要だと思う。大学の時の経験が今にもつながっていると思います」。チーム内でも勉強熱心と言われている右腕。努力を実らせ、支配下にはい上がる。

 ◆坂本 工宜(さかもと・こうき)1994年8月19日、滋賀・高島市生まれ。23歳。関西学院高では外野手で公式戦出場なし。関学大準硬式で投手に転向し、4年春に最多勝、最多奪三振、MVPを受賞。2016年育成ドラフト4位で巨人入団。180センチ、80キロ。右投右打。背番号006。年俸240万円。

 ◆主な準硬式OB

 ▽プロ野球選手 16年にドラフト6位で楽天入りした鶴田圭祐投手(帝京大)と育成ドラフト4位で巨人入りした坂本工宜投手(関学大)まで、65年のドラフト制度導入以降、育成を含めて10人がプロ入り。また、09年にドラフト6位で広島入りした川口盛外投手(王子製紙)は、早大時代に準硬式でプレーしていた。

 ▽高校野球指導者 長崎日大・金城孝夫監督(中京大)は、沖縄尚学時代に99年センバツ優勝。00年選手権準優勝の東海大浦安・森下倫明監督(東海大)や、星稜時代に1年先輩だった元巨人・松井秀喜氏と三遊間を組んでいたことでも知られる星稜・林和成監督(日大)ら多数。

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