【巨人】引退した山口鉄也さん、Gアカデミーで「聞くこと」の大切さ教える

スポーツ報知
06年オフに工藤氏(左)とアリゾナへ自主トレに出発する山口さん

 今年も多くの選手がユニホームを脱いだ。巨人に13年間在籍した山口鉄也さん(35)は、子どもたちに野球を教えるジャイアンツアカデミーのコーチとなる。通算642登板の鉄腕は、チームの若手に向け「一流選手にどんどん聞いたほうがいい」とのメッセージを送った。

 惜しまれつつ、左肩痛のため引退した山口さん。9年連続60登板などフル回転の現役生活を、感謝の気持ちを持って振り返った。05年育成選手ドラフト1巡目から一流になるまでには、米自主トレに同行させてくれた工藤公康氏(現ソフトバンク監督)をはじめ、多くの助言があった。だから、後輩には「聞くこと」の大切さを伝えたいという。

 「内海さんが近くにいてくれましたし、杉内さんもいてアドバイスをもらって成長できた。一流選手に臆することなく聞きにいった方がいい。2軍も3軍も練習しますが、先輩に聞きにいく部分がなかなかない。プラスになることがたくさんあった。聞いて吸収するのも成長する近道かなと」

 菅野、岩隈、丸、坂本勇、長野、中島、阿部…。若手にとって生きた教材の宝庫だ。菅野や坂本勇は若手に貪欲さや自主性を求めているが、積極的な選手が多ければ底上げにつながる。

 そんな山口さんの第二の人生は、子どもたちに野球を教えるジャイアンツアカデミーのコーチ。未来のプロ野球選手育成、球界の底上げを目指して活動する。

 「28年間野球をやって、仲間の大事さ、礼儀、多くのことを学べました。野球のおかげで出会いがあり、今の自分がある。経験を伝えて、少しでも興味を持ってもらえればと思います」

 巨人の来季の優勝、日本一を願いながら、新たな道を歩む。(片岡 優帆)

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