【巨人】小林誠司「壊れてもいいぐらいの気持ちで」正捕手バトル勝ち抜く

スポーツ報知
広陵高OBの(左から)広島・野村、(1人おいて)上本、中田と話す小林

 巨人の小林誠司捕手(29)が29日、原点回帰で正捕手争いに挑む決意を示した。広島市内の母校・広陵高で行われた野球教室に参加。恩師・中井哲之監督(56)から「原点に返って大きい声を出して(当時の)気持ちを思い出してほしい」とエールが送られた。来季で30歳シーズンに突入する“中堅”は「初心に帰って来年やってやろうと。壊れてもいいぐらいの気持ちで頑張らないと」と覚悟を見せた。

 小林は高校時代の気持ちがよみがえった。連日の寒波の影響もあり、雪化粧のグラウンド。年に1度訪れる母校のにおいに自然と背筋が伸びた。「来年は厳しくなるけど、強い気持ちを持っていろいろな事に挑戦していきたい」

 来季は炭谷が加入し、阿部が捕手復帰。若手の大城、宇佐見、岸田、田中貴も後を追う。「勝負の年だね」と、誰よりも気にかけているのは広陵高・中井監督だ。

 入部直後の小林は声が小さく、おとなしかった。克服するため、何度も三塁ベンチの上に立ち、声を出す練習を1、2時間していた。その結果、積極的な姿勢に変身することができた。2013年のドラフト直後、母校にあいさつに訪れた際も、スーツ姿で革靴を脱ぎ三塁ベンチ上へ上がり、現役選手にあいさつした。信念が強く、まじめでガムシャラな男なのだ。

 恩師は「そういう(高校時代の)気持ちを思い出してほしい。原点に返って、大きい声を出して。僕は選手たちの応援団ですから」と、優しい笑顔でエールを送った。

 今季の小林は119試合に出場し打率2割1分9厘だったが、盗塁阻止率は3割4分1厘をマークし、3年連続リーグNO1の数字を残した。強肩は健在だ。「現状に満足はしていない。打っていかないと厳しくなる。肝に銘じてしっかりやっていきたい」と気を引き締めた。

 来季で30歳。上には経験豊富なベテランがいる。若手でもない。甘えは一切許されない。「まだまだ体も元気。あれこれ気にしている場合じゃない。壊れてもいいぐらいの気持ちでやらないと」。勝負の年への強い思いを口にした。(玉寄 穂波)

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