【巨人】原監督、サプライズ開幕オーダー!5番に陽&7番に俊太

スポーツ報知
打撃練習をする田中俊。開幕戦、7番三塁での起用が浮上した(カメラ・橋口 真)

 第3次原政権の船出となる29日の広島戦(マツダ)に臨む開幕オーダーの全容が25日、固まった。この日、巨人を応援する財界人の集い「第27回 燦燦(さんさん)会総会」(会長・御手洗冨士夫キヤノン会長)が都内のホテルで行われた。壇上のあいさつで原辰徳監督(60)は、陽の5番起用をサプライズ発表。6、7番は流動的としたが、右腕・大瀬良を相手とする一戦で2年目の田中俊を「7番・三塁」で先発させる可能性が急浮上。外国人枠を必要としない、新生・巨人を象徴するラインアップとなりそうだ。

 腹は決まった。燦燦会の壇上でのあいさつ。原監督はまたもサプライズを用意していた。「5番が決定しました。陽岱鋼でいきます」。22日に都内で開催された「読売巨人軍激励会」では1番から4番までの打順を明かして出席者を驚かせたが、この日は打線の“肝”となる5番を発表。オープン戦最終盤の3戦連発で、12球団最多の5本塁打をマークした陽が責任に満ちた表情で頭を下げると、会場が万雷の拍手に包まれた。

 クリーンアップが固まったことで、今季の開幕スタメンの輪郭がはっきりした。鍵になるのは、岡本の守備位置だ。若き主砲は伝統の「4番・三塁」継承者として、キャンプは三塁からスタートした。一塁は中島、ビヤヌエバらが競っていたが確固たるレギュラーを擁立するまでに至らなかった。指揮官は守備のフォーメーション、サインプレーも含めて一塁がキーになると考え「コロコロと一塁が代わると、チームとしての機能を失うケースがある」と不動の4番に1年間、一塁を任せることを決めた。

 その“空いた”三塁に入るのは誰か。「対戦投手や、何が一番効果的かということを求めて代わっていく可能性はある」と指揮官は説明したが、右腕・大瀬良に対する開幕三塁の有力候補として浮上したのは、2年目の田中俊だ。

 簡単に空振りをしない粘り強い打撃が持ち味であり、バントやエンドランなどの小技もうまい。高い守備力と、果敢にスチールを仕掛けられる度胸もある。24日に行われた開幕前最後のオープン戦・対ロッテ戦でも「7番・三塁」で先発出場し、4打数2安打と活躍。この日、田中俊は「シーズンに向けてしっかり準備します」と話すにとどめたが、原監督も「彼がスタメンで出た場合は(ベンチも)動ける。打者においても、走者としても」と高評価する。エース同士の投げ合いで僅差の展開となることは必至。“勝負の1点”を奪いにいく際のキーマンとなり得る存在だ。

 残る左翼はゲレーロ、亀井の争いだが、相手が右腕であることを考慮すれば左の亀井が有力視される。田中俊、亀井がスタメンとなれば、15年以来4年ぶりに開幕オーダーから外国人枠を必要とする選手の名が消えることになる。「非常に若返るという意味において、それはそれでいいんじゃないでしょうか」。勝ちながら、世代交代を進めることもまた、原監督に与えられたミッション。新生・巨人を象徴するにふさわしい開幕オーダーで、王者に挑む。(西村 茂展)

 ◆田中 俊太(たなか・しゅんた)1993年8月18日、神奈川・厚木市生まれ。25歳。東海大相模高では11年センバツで優勝し、東海大では2014年の全日本大学選手権で優勝。日立製作所では16年都市対抗で準優勝し、新人賞にあたる「若獅子賞」を受賞。17年ドラフト5位で巨人入団。兄は広島の広輔。1年目の昨季は228打数55安打、打率2割4分1厘、2本塁打、12打点、6盗塁。178センチ、80キロ。右投左打。年俸1600万円。

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