【担当記者が見た】難コースは「考えさせられるので楽しい」

スポーツ報知
小平智

◆米男子プロゴルフツアー RBCヘリテージ最終日(15日、サウスカロライナ州ハーバータウン・リンクス)

 初出場で、28位と健闘した前週のマスターズ後に発した言葉が忘れられない。オーガスタナショナルGCはフェアウェーやグリーンの傾斜がきつい。他の日本勢が弱音を吐く一方で「逃げたら難しいアプローチが残ったり、戦略性があり過ぎていろいろ考えさせられるので楽しい。60台を出しに来年も戻って来たい」。目を輝かせ、思い切り良くシンプルにピンを攻め続けた。

 昨年末の世界ランク51位で、マスターズ初切符を逃した。今年1月から海外7戦を転戦し、2度2位になって3月末の同50位以内の資格で滑り込んだ。「12月に決まるより強くなれた」。持ち前の負けん気の強さで、プロ転向前、元レッスンプロの父・健一さんや母と交わした「初の海外旅行でオーガスタへ」の約束を見事にかなえてみせた。

 16年から約2ヤードの距離の4方向から上り、下り、フック、スライスと12球連続で入るまで帰れないパット練習を導入した。毎試合遅くまでグリーンで練習。昨季の平均パット1.75は、自己最少で日本ツアー全体2位まで成長した。172センチでも世界舞台で戦える、地力を積み上げてきた。

 14年からコンビを組む国内通算27勝の大溝雅教キャディー(52)は前週、今週のショット前、英語ではなく日本語で「プレーに入ります」と観客に静寂を呼びかけてきた。「いつも通りでいいんじゃないですか」と小平は笑う。2人のマイペースさも、いいリズムを保つ源となっている。(ゴルフ担当・榎本 友一)

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