原さん68位スタート!「辰徳渋滞」大会初日史上最多7315人来た

スポーツ報知
9番でバーディーを奪った原辰徳さん(中)は、同組の芹澤信雄(左)とグータッチ(右は中嶋常幸=カメラ・今西 淳)

◆男子プロゴルフシニアツアー ファンケルクラシック第1日(17日、静岡・裾野CC)

 アマチュア枠で大会に初出場した巨人の原辰徳前監督(60)=ファンケル=は2バーディー、6ボギー、1ダブルボギーの6オーバー、78で回り、出場75人中68位スタートとなった。1番では「4番サード、原!」のアナウンスが流れ、コース周辺の道路は「辰徳渋滞」が発生。同組の中嶋常幸(63)=静ヒルズCC=が「ゴルファーになっていればメジャーに出る選手になっていた」と絶賛するなど成績以上の存在感を見せた。伊澤利光(50)=フリー=が8アンダーで首位。

 富士の麓のコースにゴルフ場で場違いなアナウンスが高らかに響いた。

 「4番サード、原!」

 スタジアムのような大歓声がわき起こり、その後、訪れた静寂の中、若大将が放った第1打はフェアウェーをとらえた。打ち上げホールながら270ヤード超。同組の中嶋を約5ヤード、芹澤信雄を約20ヤード置き去りにするホームラン級の一発だった。

 実は、シニアツアー初参戦となった熊本・阿蘇シニアオープン(7月28、29日)では「2番サード、原!」とアナウンスされたが、この日は慣れ親しんだ「打順」に。「やっぱり、気分は悪くないね」とニヤリと笑った。

 選手として監督としてプロ野球界で輝かしい実績を持つ男も、裾野CCのティーグラウンドに立つ以上、ゴルフの一競技者「原辰徳」。全力で歴戦のプロに挑み、6オーバー、68位で初日を終えた。「日本シリーズと同じくらい最高の舞台でした。出た結果が僕のベスト。自分の中では戦うことができた。野球でいえば4打数1安打かな」と爽やかに振り返った。

 見せ場はつくった。クラブハウス前で観衆が多い9番パー5でスター性を発揮した。残り110ヤードの第3打を50度のウェッジでピン左手前70センチにつけて「お先に」バーディー。得意のグータッチを目を見開いて芹澤らと交わした。レギュラー48勝、シニア5勝を誇る中嶋は原さんの能力を高く評価する。「スマートでクール。(野球選手ではなく)ゴルファーになっていればメジャーに出る選手になっていた」と絶賛。中嶋の言葉について原さんは「ありがたく頂戴します」と笑った。

 今大会は予選落ちがないため、全選手が3日間を戦う。大会前には「本が一冊書けるくらいの戦いをしたい」とコメント。原辰徳が記す「ゴルフ戦記」は第1章から波乱万丈、ドラマチックだ。(竹内 達朗)

 ◆若大将フィーバー        

 ▼大会初日過去最多 この日の観衆は7315人。初日としては13年の7129人を186人上回り、大会史上最多。原、中嶋、芹澤組を大観衆が追いかけ「原辰徳8」と記された巨人時代のタオルマフラーを掲げるファンも出現。

 ▼女子プロに完勝 裾野市と隣接する神奈川・箱根町の大箱根CCで行われている女子プロゴルフ「CATレディース」の観衆は3308人。人気絶頂の女子プロゴルフにダブルスコアで圧勝した。

 ▼辰徳渋滞 裾野CCの3キロ以上手前から車が列をなし、「今まで、ここでこんな渋滞は見たことない」と地元のタクシー運転手もびっくり。

 ◆原辰徳さんとゴルフ 現役時代からシーズンオフに行われるコンペではベストグロス(ハンデなしの最高成績)の常連。引退後に本格的に取り組み、名門の相模原GC、戸塚CCでクラブチャンピオンに輝いた。昨年7月、トップアマチュアだけが参加する報知アマ選手権全日本クラブチャンピオンズで44位。プライベートゴルフのベストスコアは66。7月の阿蘇シニアオープンでは難しいプロ設定ながら第1日にいきなり1アンダーの71で回り、周囲を驚かせた。ドライバー飛距離は約280ヤード。

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