「権藤、権藤、雨、権藤」の“孫娘?”権藤可恋が2位スタート

スポーツ報知
18番、バーディーパットを外した権藤可恋だが、初日6アンダー2位タイの好スタートを切った

◆女子プロゴルフツアー大王製紙エリエールレディス 第1日(15日、愛媛・エリエールGC松山=6525ヤード、パー72)

 賞金ランク39位で初の賞金シードを確定させている権藤可恋(23)=フリー=が7バーディー、1ボギーの66、6アンダーで回り、首位と1打差の2位と好発進した。「権藤、権藤、雨、権藤」で有名な元プロ野球投手、監督の権藤博さん(79)と同じ佐賀・鳥栖市出身。「ギャラリーによく『あの権藤博さんのお孫さん?』と間違えられます。権藤博さんの偉大さを感じます。5月に直接、激励してもらったので期待にこたえたい」と笑顔で話した。その年に優勝者と賞金ランク25位以内のトッププロだけが出られる来週の最終戦、ツアー選手権リコーカップ(22~25日、宮崎CC)の初出場を目指す。1イーグル、6バーディー、1ボギーの65、7アンダーで回った有村智恵(30)=日本HP=が首位。

 マネジメント能力に優れた23歳が賢いゴルフを見せた。2番パー4。この日のピン位置は左端からわずか4ヤード。権藤は残り172ヤードの第2打を5ユーティリティーで右3メートルにつけて初バーディーを奪った。「センター寄りに1ピン(2・5メートル)余裕を持たせて狙った。ギリギリを狙うよりも、その方が気持ち良くクラブを振り切れる。狙った通りのショットでした」。会心の一打で波に乗った権藤は、その後、6バーディーを量産。2位と好スタートを切った。

 今季の優先出場権を争う予選会で4位となり、ツアーにフル参戦しているが、実はプロテストには合格していない。賞金ランク50位以内に与えられる賞金シードを獲得すればプロテスト合格と同じく日本女子プロゴルフ協会の正会員になれるという制度を利用し、今年のプロテストは回避した。着実に賞金を積み重ね、賞金ランク39位。シーズン前の狙い通りに「賞金シード獲得→正会員」を確実にした。

 佐賀・鳥栖市出身。権藤と言えば「権藤、権藤、雨、権藤」の博さん。中日入団1、2年目の1961、62年に連投に次ぐ連投で奮闘。雨以外は権藤さんが投げるという状況を表現した流行語が生まれた。

 「ギャラリーの方、特に年配の方には『権藤博さんのお孫さん?』とよく言われるんです。権藤博さんのことを調べたらすごい人と知りました。5月の中京テレビ・ブリヂストンレディスでは会場まで応援に来て激励していただいた。とても、うれしかったです。同郷の後輩として期待にこたえられるように頑張りたいです」と権藤可恋は笑顔で話した。

 現在、評論家として活躍している権藤博さんは、この日の可恋の好スタートに喜んだ。「可恋さんが試合に出始めた頃から注目していました。実家も近い。孫娘のような気持ちで応援していますよ」と温かいエールを送った。

 入団1年目に35勝、2年目に30勝と現代では考えられない勝ち星を挙げた博さんは、その代償で投手としては“短命”に終わった。現役引退後は選手のことを最優先に考える優れた指導者となり、多くの選手に慕われた。プロゴルファーとして飛躍を遂げている可恋に対しても博さんは金言を授けた。「プロのアスリートとして何より体を大事にしてほしい」

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