藤本佳則、6季ぶりV王手…海外開催3人目日本人Vへ難コース攻略「66」13アンダー

スポーツ報知
藤本佳則

 【セントーサ島(シンガポール)19日=岩原正幸】第2ラウンド(R)残りと第3Rが行われた。通算2勝の藤本佳則(29)=国際スポーツ振興協会=が1イーグル、4バーディー、1ボギー、66で通算13アンダーとし1打差の単独首位。海外開催の日本ツアーで日本人が優勝すれば史上3人目となり、自身6季ぶり優勝へ王手をかけた。石川遼(27)=カシオ=は73と崩れ、5アンダーの16位。

 幸福の神様「ビリケン」似の藤本が、しゃく熱の南国で快調に回った。気温32度の中29ホールをプレーし、海沿いで風が読みにくい難コースを攻略。第2R残り11ホールから再開すると67をマーク。第3R7番パー5では残り270ヤード、ユーティリティーの第2打を1メートル半につけてイーグルを奪うなど、66で13アンダー、単独首位に立った。

 空が暗くなりかけた現地時間午後7時(日本時間同8時)すぎ、18番でバーディーパットを沈め、「何とか終わってよかった」。昨年末まで出場すら迷っていたが、祐未(ゆうみ)夫人(30)に「行けば?」と背中を押されて決意した。世界ランク24位のケーシー(英国)と最終組で回り、「何か盗もうと思って回っていたので楽しかった」と声を弾ませた。

 約1か月前、大阪で行われた谷口徹(50)の最年長メジャー優勝(昨年5月・日本プロ選手権)の祝賀会に藤本の姿があった。最終ホールで並ばれ、プレーオフで敗れた。来賓の祝辞で「勝者がいれば、敗者もいる」と言われ、テーブル席で苦笑した。「招待状が来た時はびっくりした」と言うが、同郷・奈良の大先輩へ義理を通した。悔しさを胸にしまい、「(試合は)もう終わったこと」と気丈に話した。

 このまま逃げ切れば、08年パインバレー北京オープンの藤田寛之、14年インドネシア・プロ選手権の松村道央以来、海外開催の日本ツアーで3人目の日本人優勝だ。「いい選手がいるし、1打差はどうなるか。(でも)勝ちたい」と力を込めた。

 ◆藤本 佳則(ふじもと・よしのり)1989年10月25日、奈良・大和郡山市生まれ。29歳。東北高1年の2005年に全国高校選手権優勝。東北福祉大に進学。4年時の11年12月にプロ転向し、ツアー参戦1年目の12年、国内メジャーの日本ツアー選手権で初優勝。15年は賞金ランクで自己最高の4位。家族は妻と2男。165センチ、68キロ。

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