ビリケン藤本佳則、優勝逃すも7年ぶり2度目の全英切符

スポーツ報知

◆アジアンツアー共同主管 男子プロゴルフツアー SMBCシンガポールオープン最終日(20日、シンガポール・セントーサGC)

 【セントーサ島(シンガポール)20日=岩原正幸】単独首位で出た藤本佳則(29)=国際スポーツ振興協会=は4バーディー、1ボギー、68で通算16アンダーの2位。優勝は逃したものの、上位4人(有資格者除く)に与えられる7月の海外メジャー・全英オープン(英国・ロイヤルポートラッシュGC)の7年ぶり2度目の出場権を得た。65のジャズ・ジェーンワタナノンド(23)=タイ=が18アンダーで日本ツアー初優勝。

 藤本の表情には悔しさと手応えが入り交じっていた。前半で伸ばせず、タイ選手に4打差をつけられたものの、後半に粘り、12番で4メートル、13番で1メートルの連続バーディーで、一時は1打差に迫った。「ワンチャンスあるかな」。2013年以来、6季ぶりの3勝目も見えかけたところで、終盤に突き放された。最終日を首位で迎えたのは8度目だったが、優勝を逃したのはこれで6度目。「本心は勝ちたいので悔しい」とつぶやいた。

 それでも、17年マスターズ覇者のガルシア(スペイン、7位)ら強豪ぞろいの中、価値ある2位に「いいゴルフができた」と胸を張った。12年の全英(ロイヤルリザム&セントアンズ、54位)以来、海外メジャー自体7年ぶり2度目となる7月の全英切符を得た。「考えていなかったけど、メジャーに出られるのは久しぶり。今年はもっと頑張りたい」と素直に喜んだ。

 シンガポールと日本の30度近くある気温差、4月の国内開幕戦・東建ホームメイトカップまで間隔が空くなど難しい条件下で、日本人で唯一、4日間60台と意地を見せた。昨年12月初めの最終戦終了後も、契約するジム「B2ファクトリー」で筋トレを欠かさなかったが、「東建までに、またしっかりトレーニングしたい」と気を引き締めた。

 大会中には結婚5周年を迎えた。「記念日? 1月18日だったかな。間違えたら、日本に帰って嫁(祐未さん)に怒られますわ」とおどけた。4歳と3歳の息子を持つパパは「(家族は)あまりゴルフを見に来ることはないけど、遠征中も電話で話しているよ」と優しい顔で明かした。幸運の神様「ビリケン」似の29歳が、日本で待つ家族にメジャー行きの福をもたらした。

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