【函館2歳S 田中博康調教師に聞く】3月に開業32歳田中博康調教師、ホールドユアハンドで“最速”2歳重賞V狙う

スポーツ報知
ホールドユアハンドで函館2歳Sに挑む田中博調教師

◆第50回函館2歳S・G3(7月22日・芝1200メートル、函館競馬場)

 JRA2歳重賞の開幕戦、函館2歳S(22日)は節目の50回目を迎える。今年は3月に開業したばかりの若きトレーナーが“最速”の2歳重賞Vへ挑む。G1ジョッキーから転身した田中博康調教師(32)は福島のダート戦を逃げ切ったホールドユアハンドを送り込む。重賞初挑戦へ向けての思いを直撃した。

 ―厩舎開業4か月。ホールドユアハンドで初めて重賞に出走します。

 「普段と変わらない一戦ですが、楽しみは楽しみですよ。2歳戦の重賞ですからね。3戦3勝で臨む重賞とかではないので、期待も不安もあります。まずは無事に送り出したい、という気持ちが強いです」

 ―福島・ダート1150メートルのデビュー戦を4馬身差で逃げ切りました。

 「何かが起きない限りは勝てるんじゃないかな、と思っていました。想像以上に楽に勝てましたし、時計も十分。そのぶん、反動もそんなになかった。中間は体のケアを重点に置いて調整。すごく上積みがあるかと言われたらあれですけど、使う前より感じはいいかなという気はしています」

 ―芝の適性はありそうですか。

 「そこですね。エスポワールシチー産駒と言っても、ゴリゴリのダート馬という感じではない。後ろから見ても、若干薄さのある馬で、走らせると結構軽さがあるんです。函館は最終週で、特に今年は雨が多かったので、いい感じに時計がかかって、馬場が悪くなるのはいい。自分でバランスを取って走れるので、そのへんは心配してないですね。芝を試すにはいい機会かなと思っています」

 ―昨年の北海道サマーセールの出身(落札価格620万円)。田中博調教師が馬を見て購入されたのですか?

 「いえ、山口裕介オーナーが購入しました。ジョッキー時代、苦しかった時に乗せてくださったオーナーさん(当時の名義はスリースターズレーシング、騎手時代は10回騎乗で2着1回)で、馬に対する考え方が似ているんです。ジョーカプチーノを育成した山口牧場を経営されています。ちなみに馬名はPerfumeの曲名が多くて、ホールドユアハンドもそうみたいです(笑い)(14年7月発売のシングル「Cling Cling」に収録)。お世話になっているオーナーさんのためにも頑張りたいですね」(聞き手・石野 静香)

 ◆田中 博康(たなか・ひろやす)1985年12月5日、埼玉県生まれ。現在調教師では最年少の32歳。06年3月に騎手デビュー。09年エリザベス女王杯(クィーンスプマンテ)など重賞3勝。JRA通算129勝。16年に騎手出身としては最年少の31歳で調教師試験に一発合格した。18年3月に開業し、同月25日の中京8R(エジステンツァ)で初勝利。

競馬

×