【函館2歳S】アスターペガサス、出遅れても4角11番手から強襲!世代重賞一番星

スポーツ報知
ゴール前で鋭く伸びたアスターペガサス(手前)が鼻差かわして重賞初V(左は2着ラブミーファイン)

◆第50回函館2歳S・G3(22日・芝1200メートル、函館競馬場、良)

 第50回函館2歳S(芝1200メートル)は22日に行われ、2番人気のアスターペガサスが鼻差の差し切り勝ち。今年のJRA2歳世代最初の重賞制覇を果たした。手綱を執ったデビュー5年目の小崎綾也騎手(23)は11度目の挑戦で重賞初制覇となった。

 残り1ハロンで先頭までは5馬身以上。小崎は必死にアスターペガサスを鼓舞した。粘るラブミーファインと内外が大きく離れてのゴール。「ヨッシャー、とは帰ってこられませんでした。ただ(検量室前の)1着の場所で先生、スタッフが待っていて…」。笑顔で迎えられ、実感した重賞初V。「今までにないくらいうれしいです」とようやく笑みがこぼれた。

 「ゲートが課題の馬なので」という不安が的中し、後方2番手からのスタート。それでも愛馬を信じた。「使って馬が良くなっていた。自信はありました。反応してからはしっかり動く。新馬戦から引き続き乗せていただき、感謝です」。焦ることなく、4角11番手から豪脚を発揮。連続騎乗の強みを生かした格好だ。

 デビュー前の眼底骨折を始め、3年目まではけがに泣かされた。「失うものはない」と昨年は果敢に豪州へ飛び立ち、4か月間の武者修行。今年はこれで21勝。キャリアハイ(1年目38勝)に迫る勢いをキープし、14日にはJRA通算100勝を達成した。「最後の2週でいい結果を出せた」。充実の函館開催に端正なマスクが自然と崩れる。

 「質より綾也(りょうや)」と“量より質”の格言をもじって鞍上を褒めたたえた中竹調教師。「前回乗って知っているから、(出遅れても)慌てなかった」とうなずく。今後は放牧でリセットし、最大の目標は朝日杯FS(12月16日、阪神)。「まだ伸びしろはあるよ」。さらに成長した人馬の姿が待ち遠しい。(豊島 俊介)

 ◆アスターペガサス 父ジャイアンツコーズウェイ、母アールヒートライトニング(父トリッピ)。栗東・中竹和也厩舎所属の牡2歳。米国・ストーンストリートTHの生産。通算2戦2勝。重賞初勝利。総収得賞金は3856万7000円。馬主は加藤久枝氏。

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