“大井の帝王”61歳の的場文男騎手が日本新7152勝!「神様がごほうびをくれたかな」

スポーツ報知
新記録を達成した的場文は騎手仲間に胴上げされ大井の空を舞った

 “大井の帝王”が日本一に―。的場文男騎手(61)=大井=は、12日の大井競馬5Rでシルヴェーヌに騎乗して1着となり、地方競馬通算7152勝に到達。佐々木竹見元騎手の持つ日本記録を更新した。1973年10月16日の初騎乗から、通算4万567戦目で達成した大記録。その思いをつづった手記を、スポーツ報知に寄せた。

 お待たせしました。いや、長引かせてしまって、本当にすいません。でも、ホッとしています。皆さんのおかげで達成することができました。ありがとうございました。

 昨年5月17日に重賞の川崎マイラーズで地方競馬通算7000勝を達成してからも、「目標があるから燃えられる」と日本新記録へ向けて頑張ってきました。そして、ひとつひとつ白星を積み重ねて近づいてきました。

 でも簡単にはさせてくれませんね。6月6日に“あと10勝”となりましたが、6月15日の川崎競馬で落馬。左脚のひざの内側に20針縫う大けがをしてしまいました。最初は8日で乗るつもりだったんですけど、20日ちょっと休むことになりました。でも、本当なら完全に治るまで40日くらいかかるほどのけがだったみたいです。

 あと2勝になってから長引いてしまいましたが、けがをした影響もあったかもしれません。縫ったところが突っ張ったりしましたし。それに、プレッシャーも多少はあったかな。力も入ったと思います。1勝するのがこんなに大変だとは、と思ったりもしました。7150勝もしているのにね(笑い)。

 いま思えば、(2006年に)5000勝を達成した時に腰がガタガタ。竹見さんの記録なんかとんでもないと思っていました。6000勝の時だって、7000勝ができるとは思っていませんでした。でも…。頑張ったから、いい記録がついてきました。いまになって、神様がごほうびをくれたかなと思います。体力が落ちるこの年になっても1日8頭乗れたりして…。体力が落ちないのもそうでしょう。

 大きな目標をクリアしましたが、今は力が抜けるのが怖いです。でも5勝や10勝抜いてもしょうがない。7200勝くらいはいかないと。それに、これまで2着が10回ありながら、いまだに手にしていない“ダービージョッキー”にもなりたいです。

 大井は不滅です。これからも、ともに頑張っていきます。(大井競馬所属騎手)

 ◆的場 文男(まとば・ふみお)1956年9月7日、福岡県生まれ。61歳。73年10月に大井競馬からデビュー。07年の帝王賞・交流G1(ボンネビルレコード)など重賞を153勝。東京ダービーは2着が10回あって、いまだ未勝利なのが“七不思議”とされている。好きな言葉は「努力、一生懸命、根性」。血液型A。

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