【安田隆行調教師インタビュー】「ウチの馬で勝ちたい」カナロアの子ダノンスマッシュとケイデンスコールでW重賞制覇狙う

スポーツ報知
スプリント能力を受け継いだダノンスマッシュに、父も担当した岩本助手は期待のVサイン

 安田隆行調教師(65)=栗東=が、自らが管理したロードカナロアの産駒2頭でダブル重賞制覇を狙う。第13回キーンランドC・G3(26日、札幌=1着馬にスプリンターズSの優先出走権)にダノンスマッシュ、第38回新潟2歳S・G3(26日、新潟)にはケイデンスコールをスタンバイ。国内外短距離G1・6連勝を飾った偉大な父との比較や、意気込みを聞いた。(聞き手・内尾 篤嗣)

 ―今週、安田隆調教師は2頭のロードカナロア産駒で2つの重賞に挑戦します。まずは新潟2歳Sに挑むケイデンスコールですが、デビュー2戦を振り返ってください。

 「牧場時代から仕上がりが早そうだと聞いていたので、早めに入厩させて使いました。初戦(6月30日、中京=2着)は敗れはしたけど、強い相手(アドマイヤマーズ)と最後まで競り合ってよく頑張っていました。2戦目(7月29日、新潟)で順当に勝ったのですが、新潟のマイルを1回走っているのは強みになると思います」

 ―札幌のキーンランドCには、3歳馬のダノンスマッシュがスタンバイしています。

 「春はマイルを使っていたけど、いずれは短い距離が主戦場になると思っていました。初めて1200メートルに使った前走(7月21日、函館日刊スポーツ杯=1着)ですが、課題のスタートをスッと出て結果を出してくれました。前走は1600万で今回はG3。相手は一気に強くなるけど、ここでいい競馬ができるようなら当然、スプリンターズS(9月30日、中山)に行くつもりです」

 ―かつて安田隆師が管理した偉大な父ロードカナロア。2頭が似ている点はどこですか?

 「ケイデンスコールはレースが上手な点が似ています。カナロアは古馬になってからすごく競馬が上手になりました。そういった点を受け継いでいます。ダノンスマッシュは結果的にマイルは長かったのですが、1400メートルまでならすごくいいレースをすると思います。似ている点を挙げるとすれば、短距離での強さですね」

 ―ロードカナロア産駒は絶好調。先週まで18週連続で勝っています。

 「初年度の昨年は12週連続で勝っていたけど、今年もそんなに勝っているんですか。2年目を迎えてさらに勝ち続けるなんて、すごいですね」

 ―初年度の昨年が37勝、今年はすでに57勝で計94勝。安田隆厩舎はぶっちぎりトップの14勝(2位は4勝の藤原英、国枝、浅見厩舎)です。

 「カナロア自身が利口な馬だったから、その子供は走ると思っていました。父はおくてで、初勝利は2歳の12月。夏を休ませて3歳秋に本格化したのですが、産駒は2歳戦からこんなに成功するとは。もちろん、父同様に古馬になってからもどんどん成長すると思います」

 ―最後に意気込みを聞かせてください。

 「スマッシュは先週、札幌で芝コースに入れていい動きでした。緩い面が残っているから、まだまだ良くなると思います。ケイデンスも栗東で暑さにバテずいい仕上がり。カナロア産駒は関東馬のアーモンドアイ、ステルヴィオが重賞を計4勝しているけど、やっぱりウチの馬で勝ちたいですよね。2頭とも十分にチャンスはあると思います」

 ◆安田 隆行(やすだ・たかゆき)1953年3月5日、京都府生まれ。65歳。72年に騎手デビューし、通算680勝。トウカイテイオーの皐月賞、日本ダービー(いずれも91年)のG1・2勝を含む重賞13勝。94年2月に引退し、同年3月に調教師免許を取得。翌95年に栗東で開業し、通算723勝(19日現在)。JRA・G1で11勝を含む重賞32勝。安田翔伍調教師は次男、自厩舎の安田景一朗助手は長男。

 ◆ロードカナロア 父キングカメハメハ、母レディブラッサム(父ストームキャット)。2008年3月11日生まれの牡馬。現役時は栗東・安田隆行厩舎に所属。北海道新ひだか町・ケイアイファームの生産。通算19戦13勝(うち海外2戦2勝)。スプリンターズS(12、13年)、香港スプリント(同)、高松宮記念(13年)、安田記念(同)のG1・6勝を含む重賞9勝。引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入りし、昨夏に初年度産駒がデビュー。アーモンドアイが今年の桜花賞、オークスを制した。今年6月、史上33頭目の顕彰馬に。馬主は(株)ロードホースクラブ。

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